それを聞いた面々は驚愕していたが、目的がハッキリした。
何としても、コウの母を救出しなければならない。


「………行川アイランド跡地に邪悪な力が感じられる………。恐らく、阿古丸が何かを企んでいるのだろう。」



『はい!!!』



全員で行川アイランド跡地へと向かう。コウと、コウの母を助けるために…………。

















━━━行川アイランド跡地━━━



予想よりも利益が入らなくなり、閉鎖された行川アイランド。そこには、阿古丸がイカヅチや咎鬼に囲まれて椅子に座っていた。
まるで、玉座ともいえるような椅子であった。
その内、来ると思っている。きっと、予想の通りの答えを携えて。


「……………………来たか…………」


咎鬼達の間を、シャダム・ガラ・ザイドスが歩いてくる。ここまで、想定した状況が現実で起こっていると、笑いを堪えるのが辛く感じてしまう。


「父上…………ゴーマが出した結論は?」


椅子に座ったまま、阿古丸は尋ねる。この高い位置から見下ろすのは気分がいい。
いずれ、このような体制にしてみせる。


「答えは……………………これだァッ!!」



シャダムは妖力を両手で収束させ、球体にさせる。それを阿古丸へ向けて放つ。
1体の咎鬼が阿古丸の盾となり、それを受ける。ピキピキとヒビを生じさせながら爆発した。
しかし、表情を変えることなく阿古丸は落ち着いている。


「会談は決裂ですか……………期待を裏切らない………」



全くもって予想通りだ。ゴーマが何者かの下に着くはずがない。
何より、初代皇帝が言っていだアレ゙の真実味が本格的になってきた。



「阿古丸…………お前の好きにはさせんぞ……………コットポトロ!!」


数十…………数百…………そんな数のコットポトロが出現した。
ゴーマは総力を以て自分達を叩き潰しにきたのだろう。
阿古丸ば地獄の鍵゙を取り出し、妖力転身をする。まるで大連者のように転身したのに3幹部は驚いていたが、より斃すという気を起こさせる。



「貴様ァ…………」


「私はナーガレンジャー、今ある世界を破壊し、新たなる創造をする者です。…………さあ、゙戦争゙を始めましょう。」



゙地獄の鍵゙を地面に突き刺し、地獄より咎鬼達を出現させる。
更に、現世にある強い怨念を地獄へと流し込んでいく。


「何をする気だ………」


「フフフ…………本当の゙鬼゙を見せてあげますよ。出でよ!。絶鬼(ぜっき)、惨鬼(ざんき)!!」



ナーガレンジャーの呼びかけに応えるかのように、地面がピキピキと割れていく。
それは本当に地面が割れてるわけではなく、地獄へ繋がる空間への道を開いているのである。


「ウ゛ウ゛ウゥゥ………」


「ガルァァァァ……………」



その空間より、鈍色と赤褐色の鬼が這い上がってくる。共通点は体の構造は人間に似ているが、眼が鋭利で黄色く、格闘技の選手よりも巨体であることだ。
鈍色の絶鬼は、3本の角があり、毛が長めになっている。対して、2本角で、赤褐色の惨鬼は毛が短い。


「地獄の悪鬼だと………」


以前、地獄から霊力を吸収した事のある3幹部だが、それだけでもパワーが上昇した。
なのに、この鬼のパワーは霊力そのものだ。純粋なまでの悪の気を放っている。


「グッ…………コットポトロ、総員突撃しろォォッ!」


シャダムの号令によって、コットポトロ達はナーガレンジャーへと向かっていく。
ナーガレンジャーも゙地獄の鍵゙をゴーマへと向け、鬼達を突撃させたのだった。