「うわあぁぁぁァァッ!!」
声に気づき、ダイレンジャー達はそちらを見る。子ども達は倒れているが、リュウレンジャーはその中で栗毛の少女を見つけた。
「ゆ………由貴ちゃん………由貴ちゃん!!」
リュウレンジャーは走り出した。もしかしたら、もう会えないと、助けれないかもしれないと思った。
でも、救えたんだ。自分の力で。
由貴や他の子ども達は、自分達を縛っていた触手がないことに気づく。
顔を上げると、そこは自分達がさらわれた場所ではないものの、外の世界だと気づいた。
「ん………ここは………」
由貴も辺りを見渡し、ここはどこかを把握しようとしていた。
「由貴ちゃーーん!!」
「!?」
声がする方を向く。そこには赤い龍を模した者…………すなわち、リュウレンジャーがいた。
何者かを由貴は知らない。しかし、リュウレンジャーは歩み寄ってきて、自分を抱き起こす。
「しっかり!。何ともないかい?」
優しい声。それはいつも聞き慣れている声だ。
「お兄………ちゃん?」
「うん!お兄ちゃんだよ………無事で良かった………」
助けてくれた。自分の知っている亮が、助けてくれたんだ。そうわかった瞬間、由貴の眼には涙が溢れていた。
「う……うわあぁぁぁぁん!!怖かった………怖かったよおぉぉ…………」
泣きながら抱きつく。暗闇の中で、ずっと縛られていた。それを助けてくれた亮に、由貴は受け止められたかった。
まだまだ幼い、少女の体を、リュウレンジャーも温かく受け止めるのだった。
他のダイレンジャーも子ども達を介抱し、一安心をするのであった…………。
「ば、バット……………勝負はついていなああぁぁぁぁぁいッッッ!!」
「!!?」
その声に一同は驚いた。それは、今まで倒れていた紐男爵が発したものだった。
ダイレンジャー達は子ども達を自分達の背後に回す。再びさらう気かもしれないからだ。
しかし、それとは裏腹に、紐男爵は腰から球体を取り出す。
「な、何をする気だ!?」
「オホホ………ユー達をプレスし、チャイルド達をカムバックしてプレイするううぅぅッッッ!!」
紐男爵は球体の上部にある蓋…………安全装置であるピンを外す。
「巨大化………爆弾!!」
紐男爵は手元にあった球体を地面へ投げつける。すると、爆発が起こる。
爆炎は広がり、縮むを繰り返していき、その力で紐男爵は巨大化するのだった。
「オーーホッホッホ!!」
まるで、巨大怪獣の如く見下ろしてくる紐男爵。ダイレンジャーと子ども達は、それに驚くままであった。
「でか………」
「大きい………」
様々な声が挙がる中、リュウレンジャーは由貴が震えている事に気づく。
無理もない。ただでさえ恐怖を感じていたところに、巨大な怪人が現れたのだから。
「将児、リン!子ども達を安全な場所へ頼む!」
「おう!」
「さあ、みんなこっちアル!」
リュウレンジャーの指示を受け、2人は子ども達を連れて行く。
由貴はリュウレンジャーを去り際に見る。そこには、指をグッと立てる姿があった。きっと勝つ、そうメッセージをしていたのである。
「ぬぅぅ………チャイルド達を………………フットプレスしてやる!!
巨大な足が迫る。ダイレンジャー達は避けたつもりだったが、その衝撃だけで吹き飛ばされてしまう。
子ども達を森の陰に隠し、テンマレンジャーとホウオウレンジャーが戻ってきたものの、全く意味をなさない。
この巨大な怪物に対しての対抗手段などないのだから。
「どうしたらいいんだ………」
゙龍連者よ…………龍星王だ。気伝獸・龍星王を呼ぶのだ!゙
頭に声がする。リュウレンジャーはそれが嘉挧のものであることがわかった。
まったく、気力とは万能だ。テレパシーまで出来るとは。
だが、ありがたい。リュウレンジャーは左手でスターソードを抜く。
右手の人差し指と中指をくっつけた状態で剣をなぞり、スターソードに赤い光を宿らせる。そして、天に向かって立てたのだった。
「気伝招来!龍星王!!」
赤い稲妻が天へ昇っていく。それはリュウレンジャーの気力であり、呼び寄せるためのものである。
すると、空から赤い龍・龍星王が飛来した。
゙グワアァァァッッッッ!!゙
やはり龍星王は自分を助けてくれた龍だ。リュウレンジャーは心中に感謝の意を込めながら、スターソードの刃を収納した状態でとスターカッターと連結させる。
通常は中距離の攻撃に用いる射撃武器であるダイバスターから、気力で練った縄を龍星王の頭部へ撃ち、巻き付かせる。
「トゥァッ!」
それによってリュウレンジャーは引き上がり、龍星王の頭部へと乗り込む。
これなら、巨大になった紐男爵とも戦える。
「行くぞ龍星王……………紐男爵を斃すんだ!!」
ついに、人類の命運がかかったダイレンジャーとゴーマの戦いの火蓋は切って落とされたのである。
そう、広大な物語のはじまり。ダイレンジャーは、人類は勝つことができるのか。
それは、ダイレンジャーの物語の果てにある。
つづく
声に気づき、ダイレンジャー達はそちらを見る。子ども達は倒れているが、リュウレンジャーはその中で栗毛の少女を見つけた。
「ゆ………由貴ちゃん………由貴ちゃん!!」
リュウレンジャーは走り出した。もしかしたら、もう会えないと、助けれないかもしれないと思った。
でも、救えたんだ。自分の力で。
由貴や他の子ども達は、自分達を縛っていた触手がないことに気づく。
顔を上げると、そこは自分達がさらわれた場所ではないものの、外の世界だと気づいた。
「ん………ここは………」
由貴も辺りを見渡し、ここはどこかを把握しようとしていた。
「由貴ちゃーーん!!」
「!?」
声がする方を向く。そこには赤い龍を模した者…………すなわち、リュウレンジャーがいた。
何者かを由貴は知らない。しかし、リュウレンジャーは歩み寄ってきて、自分を抱き起こす。
「しっかり!。何ともないかい?」
優しい声。それはいつも聞き慣れている声だ。
「お兄………ちゃん?」
「うん!お兄ちゃんだよ………無事で良かった………」
助けてくれた。自分の知っている亮が、助けてくれたんだ。そうわかった瞬間、由貴の眼には涙が溢れていた。
「う……うわあぁぁぁぁん!!怖かった………怖かったよおぉぉ…………」
泣きながら抱きつく。暗闇の中で、ずっと縛られていた。それを助けてくれた亮に、由貴は受け止められたかった。
まだまだ幼い、少女の体を、リュウレンジャーも温かく受け止めるのだった。
他のダイレンジャーも子ども達を介抱し、一安心をするのであった…………。
「ば、バット……………勝負はついていなああぁぁぁぁぁいッッッ!!」
「!!?」
その声に一同は驚いた。それは、今まで倒れていた紐男爵が発したものだった。
ダイレンジャー達は子ども達を自分達の背後に回す。再びさらう気かもしれないからだ。
しかし、それとは裏腹に、紐男爵は腰から球体を取り出す。
「な、何をする気だ!?」
「オホホ………ユー達をプレスし、チャイルド達をカムバックしてプレイするううぅぅッッッ!!」
紐男爵は球体の上部にある蓋…………安全装置であるピンを外す。
「巨大化………爆弾!!」
紐男爵は手元にあった球体を地面へ投げつける。すると、爆発が起こる。
爆炎は広がり、縮むを繰り返していき、その力で紐男爵は巨大化するのだった。
「オーーホッホッホ!!」
まるで、巨大怪獣の如く見下ろしてくる紐男爵。ダイレンジャーと子ども達は、それに驚くままであった。
「でか………」
「大きい………」
様々な声が挙がる中、リュウレンジャーは由貴が震えている事に気づく。
無理もない。ただでさえ恐怖を感じていたところに、巨大な怪人が現れたのだから。
「将児、リン!子ども達を安全な場所へ頼む!」
「おう!」
「さあ、みんなこっちアル!」
リュウレンジャーの指示を受け、2人は子ども達を連れて行く。
由貴はリュウレンジャーを去り際に見る。そこには、指をグッと立てる姿があった。きっと勝つ、そうメッセージをしていたのである。
「ぬぅぅ………チャイルド達を………………フットプレスしてやる!!
巨大な足が迫る。ダイレンジャー達は避けたつもりだったが、その衝撃だけで吹き飛ばされてしまう。
子ども達を森の陰に隠し、テンマレンジャーとホウオウレンジャーが戻ってきたものの、全く意味をなさない。
この巨大な怪物に対しての対抗手段などないのだから。
「どうしたらいいんだ………」
゙龍連者よ…………龍星王だ。気伝獸・龍星王を呼ぶのだ!゙
頭に声がする。リュウレンジャーはそれが嘉挧のものであることがわかった。
まったく、気力とは万能だ。テレパシーまで出来るとは。
だが、ありがたい。リュウレンジャーは左手でスターソードを抜く。
右手の人差し指と中指をくっつけた状態で剣をなぞり、スターソードに赤い光を宿らせる。そして、天に向かって立てたのだった。
「気伝招来!龍星王!!」
赤い稲妻が天へ昇っていく。それはリュウレンジャーの気力であり、呼び寄せるためのものである。
すると、空から赤い龍・龍星王が飛来した。
゙グワアァァァッッッッ!!゙
やはり龍星王は自分を助けてくれた龍だ。リュウレンジャーは心中に感謝の意を込めながら、スターソードの刃を収納した状態でとスターカッターと連結させる。
通常は中距離の攻撃に用いる射撃武器であるダイバスターから、気力で練った縄を龍星王の頭部へ撃ち、巻き付かせる。
「トゥァッ!」
それによってリュウレンジャーは引き上がり、龍星王の頭部へと乗り込む。
これなら、巨大になった紐男爵とも戦える。
「行くぞ龍星王……………紐男爵を斃すんだ!!」
ついに、人類の命運がかかったダイレンジャーとゴーマの戦いの火蓋は切って落とされたのである。
そう、広大な物語のはじまり。ダイレンジャーは、人類は勝つことができるのか。
それは、ダイレンジャーの物語の果てにある。
つづく