「この世界の僕…………?」


゙統合され始めたことで、2人の距離が近くなったってことさ。゙



それは不思議だ。記憶は一つになろうとしてる今、2人の意識は混在しているなんて。



゙いいかい?僕と君は同じ人間だ。でも、生きている時間や世界は違う…………別の人間なんだ。゙



「………だから、僕とこの世界の僕は………別々の心を…………」



゙人が互いを認知できるのは、独立性を有す他者と対話することなんだ。だから、君は自信を持つんだ。君は君だって。゙



「僕は僕…………」



互いに違う存在だからこそ、対話ができる。一緒にいられる。1人ではないのだ。


「…………ねぇ……」



「コウくーーん!!」



振り向くと、由貴がこちらに向かって走ってきた。既に三つ編みはやめたようで、長い髪を下ろしている。



「由貴ちゃん………どうしたの?」


「あたし、やっぱり逃げれなくて………でも、あたしには力がないから………お兄ちゃん達に………」



そこでハッとした。未来が見えた気がした。





━━━━━━━━━━━━この世界は、戦いが繰り返される。






そんな気がした。光と闇が互いに互いの存在を強調させるように、気力と妖力も…………。





「…………由貴ちゃん………ありがとう…………」



コウは向かった。決められた未来。これは、逃れられない運命。気力と妖力は、常に存在し続ける。
自分達の世界と、根本から同じ世界なのだ。ダイレンジャーの…………戦いは続いていく。


「そんな運命…………」



強く白虎真剣を握り、コウは走った。



「それが未来なら、そんな運命、僕が変えてやる!!!」



















商店街では、子ども怪人が暴れて人々が逃げまどっていた。パンプキン侯爵は菓子を食いながら高みの見物をし、ゲラゲラと笑っている。
その裏では、5人の青年達が集まり、立ち並んだ。


「おい、ゴーマ!」


「ボチャ?」


そこには、ゴーマを崩壊に追いやった者たちが立っている。そう、あの若者たちだ。



「俺達がいる限りよぉ、地球はゴーマの好き勝手にはさせねぇんだよ!」


将児がキレながら話す。やはり、ゴーマともなると燃え上がりすぎるのだ。
そして、中心にいる青年…………亮は一歩前にでる。



「みんな、行くぞォッ!転身だァッ!!」



全員が同じように、左手で右のキーを弾いていく。