コウはキャラメルをポケットにしまい、子ども達に商店街入り口まで戻ろうと告げる。
みんな集まってくると、満足げな表情をしている。だが、その中で男の子がそわそわしていた。


「君、どうしたの?」



「達也がいない………さっきまでここにいたのに………」


「!?」


この区域内に住んでるため、他の子ども達も顔を知ってるはず。コウは一緒に探そうと言い、協力して達也捜索に乗り出す。
そう広くはない公園だ。すぐに見つかるはず…………。



「きゃあああァァッッ!!」



『!!?』



女の子の悲鳴。驚いて振り返ると、魔女の仮装をした女の子が同じくらいの身長をした奴に襲われている。
それも、狼男のような格好をしている。コウはそいつを突き飛ばし、女の子を救出する。
女の子は泣いていて、噛まれた痕もあるため、ヒドく痛がっている。
その後ろでは、さっきの男の子が狼男の顔を見て、思わず声を上げた。


「達也………」


「!?。何だって………」


コウと由貴は改めて狼男の顔を見る。すると、そこには小学生くらいの幼い顔立ちをした少年が牙を生やしていた。
眼は完全に狼のように鋭く、顔だけは毛が生えている。達也は、獣人と化しているのであった。


「これは………」


「わああああァァッ!!」


後ろを向くと、子ども達が全員宙に浮いていた。ただ、達也に噛まれた女の子を除いて。
その女の子は、杖を使って子ども達を浮かしているらしい。まさに、魔女のようだ。



「これ………コウ君………」



「うん…………出てこい、ゴーマ!!」











゙ドロン゙











コウが声を上げると、火の玉が現れる。さらに、その中から、カボチャの頭をした異形のものが出現した。


「お前はッ!?」



「クカックカッ!!苦節6年………大連者にゴーマが滅ぼされてから、俺はこの日を待ちわびていたでボチャ。そうよ!パンプキン侯爵とは俺のことでボチャ!!」



カボチャの頭で、額には一つ目。黒い服とマント、おまけに茶色い杖と、ジャックランタンそのものではないか。



「ゴーマの残党か………お前の目的は何だ?」


「クカックカッ………俺の能力で子ども達を怪人化し、ゴーマ復活のための尖兵にするでボチャ!」