その後は、コウと由貴は会場の手伝いをしていた。昼間は由貴から手づくりの弁当までもらい、感激していたのだった。
休憩中、ふと脇を見ると、見覚えのある人物がいた。クールで、キリッとした顔立ちをしている。


「大五兄ちゃん………?」


一番年長だったためか、もはやおじさんと呼ぶべきかもしれない。
コウは足早に近づいていく。



「大五兄ちゃん、久しぶり。」


「………ん?。おお、コウか。」



大五の反応を見る限り、この世界のコウとはある程度の接触はしてるようだ。
だが、以前よりも強そうな表情をしている。



「商店街でハロウィン祭やるんだってな。」


「うん。それにしても、大五兄ちゃんのそんな険しい表情、久々に見たな~って思ってさ。」



そんな表情なんてしてたか?、と言いたそうな大五。だが、仮装してる子ども達を見て、再び険しい表情になる。


「……………もう、6年になるな。」


「え?」


「俺達が大連者…………ダイレンジャーとして戦ってから………。お前も辛い思いをしたのに、強いもんだよ。」


「僕が…………な……」
























そこで頭が真っ白になった。大五と何の話しをしたかなんても、いつ別れたからなんても覚えていない。
自分の身に起きた辛いこと。何かはわからないが、記憶が呼び起こされない。思い出したくはないのだろう。
そんな事を考えていると、いつの間にか5時になっていた。
子ども達は王道のジャックランタンをはじめ、狼男や魔女の格好をしている。中には、蜂や亀・ミッ○ーなどもあるが、どれもが楽しそうに着こなしている。


「………ハロウィン祭って、僕らが小学生の頃はなかったよね。」


自分は小4の夏休みまでしか味わってはないが、少なくともその年は予定すらなかったはずである。


「中1の頃からかな~。でも、早いものだね。コウ君とあったのが、随分前のことだなって実感するよ。」




小4なる前、つまり3年生の春休みに由貴は弟の真司と買い物に出た。
途中ではぐれ、真司を探している間にコウと出会う。
スカートを捲り、苺パンツを見たコウ。最初は変な少年としか思えなかった。でも、一緒に過ごしていくにつれて…………。



「…………変わらないね、コウ君は!」


「え………それって成長してないってこと!?」


こんな会話も、前と変わらない。2人は自覚しないながらも、互いに惹かれ合っている。