家に帰ってみると、布団の中では白虎真剣がくるまっていた。コウは取り出すと脇に置き、カレンダーに予定を書き込む。
「ったく、ひでえ目にあったぜ…………んで、どうだったよ?」
「いやぁ、高校と商店街でハロウィン祭やるから、手伝ってほしいってさ。」
「ほへぇ。じゃあ、お前は日曜日に行くのか。俺様も連れてけよ。」
「う~~ん………いつもお前を………………………いつも?」
何かおかしい。自分は小学生から高校生に心だけがなった。それだけのはずで、この時間の自分の記憶はぼんやりとしか浮かばなかったはずなのだ。
それが今は、むしろ自然に出てくるくらいになってしまった。これは、゙小学生のコヴが゙高校生のコヴが統合され始めてることを意味してる。
『ジェットマンの世界』の自分と同化したように、きっと精神が重なり合ってきているのだ。
「僕はどうしてるんだろう………」
深い深い心の奥底に、きっと『ジェットマンの世界』の自分はいる。意思や意識が封殺されてるのは辛いだろう。
戦いが終わった時、彼に体を返さなければならない。だから、ここで自分の意識を保たなければ、それが出来なくなってしまう。
そう思ったら、コウはすぐさまノートに記憶を記す。゙この世界のコヴが知らない、自分だけの記憶を。
日曜日、ハロウィン祭の日がやってきた。昨日の雨が心配ではあったが、すっかり上がったようだ。
コウはここまで自分と戦っていた。何とか、取り込まれそうな自分を保ってきたのである。
記憶を記したノートの切れ端と、連れていけという白虎真剣を持ち、コウは商店街へ歩みを向けた。
商店街へ来ると、昔からの顔ぶれも多くいた。ハロウィン祭に向けて、みんな仮装やら何やらをしている。
どうやら、高校生スタッフも何かしらの衣装を着ている。
「由貴ちゃんどこかな?………あ、きたきた。」
「ごめーーん!」
走ってくる由貴。何やら、セーラー服っぽい感じがする。
「それは?」
「ふふ、ご覧の通り、文学少女よ。」
長い髪を三つ編みにしている。仮装というより、コスプレだろう。
そういう自分も、おかっぱではないが『トンネルの向こうの不思議な街で、魔女の言いなりになって働く少年』の服装をしている。
誰かの陰謀としか思えないくらい、コスプレはピッタシだった。
「午後5時までは会場の整備で、それ以降は子ども達の監視があたし達の仕事だよ。」
「うん。わかっ………」
「よう、由貴!久しぶりだな。!」
にょきっと白虎真剣が出てくる。そして、ジ~~ッと由貴を見渡す。
「かぁぁ~~!!いい胸とケツしてんじゃねえか。お前ら、もゔおが………ふご………ふご………」
「静かにしてろ。」
「ったく、ひでえ目にあったぜ…………んで、どうだったよ?」
「いやぁ、高校と商店街でハロウィン祭やるから、手伝ってほしいってさ。」
「ほへぇ。じゃあ、お前は日曜日に行くのか。俺様も連れてけよ。」
「う~~ん………いつもお前を………………………いつも?」
何かおかしい。自分は小学生から高校生に心だけがなった。それだけのはずで、この時間の自分の記憶はぼんやりとしか浮かばなかったはずなのだ。
それが今は、むしろ自然に出てくるくらいになってしまった。これは、゙小学生のコヴが゙高校生のコヴが統合され始めてることを意味してる。
『ジェットマンの世界』の自分と同化したように、きっと精神が重なり合ってきているのだ。
「僕はどうしてるんだろう………」
深い深い心の奥底に、きっと『ジェットマンの世界』の自分はいる。意思や意識が封殺されてるのは辛いだろう。
戦いが終わった時、彼に体を返さなければならない。だから、ここで自分の意識を保たなければ、それが出来なくなってしまう。
そう思ったら、コウはすぐさまノートに記憶を記す。゙この世界のコヴが知らない、自分だけの記憶を。
日曜日、ハロウィン祭の日がやってきた。昨日の雨が心配ではあったが、すっかり上がったようだ。
コウはここまで自分と戦っていた。何とか、取り込まれそうな自分を保ってきたのである。
記憶を記したノートの切れ端と、連れていけという白虎真剣を持ち、コウは商店街へ歩みを向けた。
商店街へ来ると、昔からの顔ぶれも多くいた。ハロウィン祭に向けて、みんな仮装やら何やらをしている。
どうやら、高校生スタッフも何かしらの衣装を着ている。
「由貴ちゃんどこかな?………あ、きたきた。」
「ごめーーん!」
走ってくる由貴。何やら、セーラー服っぽい感じがする。
「それは?」
「ふふ、ご覧の通り、文学少女よ。」
長い髪を三つ編みにしている。仮装というより、コスプレだろう。
そういう自分も、おかっぱではないが『トンネルの向こうの不思議な街で、魔女の言いなりになって働く少年』の服装をしている。
誰かの陰謀としか思えないくらい、コスプレはピッタシだった。
「午後5時までは会場の整備で、それ以降は子ども達の監視があたし達の仕事だよ。」
「うん。わかっ………」
「よう、由貴!久しぶりだな。!」
にょきっと白虎真剣が出てくる。そして、ジ~~ッと由貴を見渡す。
「かぁぁ~~!!いい胸とケツしてんじゃねえか。お前ら、もゔおが………ふご………ふご………」
「静かにしてろ。」