やはり、元の世界へ帰る道を………。


「ねえ、コウ。」


「?」


「朝の話しに関係してるんだけど………」



「何か、知ってるの?」



「ううん。そうじゃないんだけどさ、小4からなんだよ。あたし達が腐れ縁になったの。」


町子の話しによれば、ずっとクラスが一緒だったのはコウだけだったという。
言われてみれば、ぼんやりとそのシーンを思い出す。


「そんでさ…………前に…………その………」



「うん。」



町子には珍しく、モジモジしている。これは斬新な感じがして、結構可愛い。
何か言いたそうだが、迷ってる様子だ。恥ずかしいことなのかもしれない。


「言ってみなよ、笑わないから。」



「………あたし、告白されたじゃない?」


「!?」


記憶を辿ってみる。さっきよりはハッキリと、回想ができる。
1週間くらい前にあったのかもしれない。同じ学年で、イケメンと称されてる。
町子はかなりの美少女で、今日も結構男子に話しかけられていた。モテる女は辛いものなんだろう。



「断りたいんだけどさ…………その………理由が欲しいんだ。」


「うん。」



まだまだ、モジモジしている。何だか、町子らしくない。潮らしい町子など、小学生の頃は欠片程しか存在してなかった。
そう思っていると、コウを向いて、しっかりと見つめてくる。ジ~~っと、赤い顔で見つめる。
そして、唇を震えさせながら口を開いた。


「あたしと………付き合ってみない?」


「何の買い物に?」


「………!!?。バカッ!!。今の話の流れからして、わからない!?」

告白された。断りたい。断る理由が欲しい………。



「となると、彼氏がいれば…………って、えぇッ!!?」


何ということだろう。つまり、町子はその理由付けとして、彼氏になるよう頼んできているのだ。
そして、その腐れ縁とやらからすると…………。コウは頭に構図を作り出して考えたのだった。



「…………どう?」



「………………。」



コウは迷っていた。確かに、この街に住んでからずっと一緒だった。だからといって…………。



「…………………ごめん………。」



「!!?」



一瞬で、町子の顔つきが変化した。今まで赤くなっていた顔は、やや白くなり始めていた。
震えも止まり、眼も驚いているのか、見開いてしまっている。
そんな中、コウは申し訳なさそうに頭を下げる。


「僕には…………彼氏の役なんて出来ないよ……。」



「え??彼氏の役………?」


再び顔を上げるコウ。2人とも、困惑している表情であった。


「いくら昔からの仲でも、好きでもない男に彼氏役をやってくれなんて…………。」



「ちょ…………あんた…………………」


勘違いをしている。言葉は呆気ないが、町子は真剣な気持ちで言っていた。