「……ちょっと考えごと………あ、由貴ちゃん、相談があるんだけど………お昼一緒に食べない?」


「え………うん……。」


何とか、から揚げ弁当を確保したコウは、由貴と共に中庭のベンチへと向かう。
パッと見ると、カップルみたいで緊張する。2人並んで座ると、それは増していく。
由貴は自家製弁当を取り出した。゙なんとなぐ記憶には、由貴自身が作ってると言ってた覚えがある。
ウインナーや玉子焼きはもちろん、小松菜の和え物など、栄養バランスが考えられている。
それに比べりゃ、購買のから揚げ弁当は学生の満足を考えたもので、炭水化物とタンパク質だけみたいなもんだ。


「はぁ………」


「………食べる?」


「いいの?」



「うん。」



若干、がっかりした様子を見てか、気を利かせてくれたようだ。優しい。
自分が好きになったのは、こういった優しさが大きい。
食べてみて、味も申し分ない。最高だ…………。
そこでコウは自分の目的を思い出す。



「そうそう、由貴ちゃん、実は………………」


















「え…………じゃあ、小4の秋までの記憶しかないの?」


「そうなんだ。」


由貴までもがダイレンジャーキッズとして戦った記憶はない。それで推測の確信がなった。
ここは、バイラムの侵略が無かった歴史だ。自分はダイレンジャーの6人目・キバレンジャーというだけで、キッズのリュウレンジャーではない。
つまり、ここは時空の歪みが存在しなかった『本来あるべきダイレンジャーの世界』といえる。
嬉しかったのは、自分がキバチェンジャーをしていないということ。つまり、ゴーマとの戦いは終わったということなのだろう。
では、白虎真剣はどこへ?慌てて出たから忘れてきた可能性もある。
少なくとも、それくらい世界は平和で、自分達ダイレンジャーと人類は勝利したのだ。


「なんでかはわからない。僕の心だけ、あの頃からスキップしたみたいだ。」


何だか、そんな小説もあったような。


「でも、どうしてあたしに聞いたの?」


「………由貴ちゃんも、僕と同じ様にダイレンジャーとして戦ってたからさ。」


「え!?あ、あたしが!?」


信じらんない!!、と言わんばかりの顔。そりゃ、そうだ。この世界にゃ、そんなの無かったんだろうし、本来は気力が無ければダイレンジャーになれないんだから。