トランプ公爵、ガマグチ法師、口紅歌姫がホウオウレンジャーに向かっていく。
正面から向き合ったホウオウレンジャーには、不思議なことが起こっていた。
「み、見える…………」
敵の動きがわかる。どのように行動するか、気が伝えてくれるのだ。
まるで、水が放つ波紋のように、相手が乱した気を感じ取り、相手の動きを見切っていたのである。
そして、刀で敵の攻撃を裁き、まるで舞うように美しく避けていく。
「バカNA!どうやっTE………NNNNNNN?」
ガマグチ法師達の体に斬り傷があった。何も感覚はない。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━だが、次の瞬間、その斬り傷から水飛沫が飛び散り、バラバラに引き裂けたのだった。
怪人達はドサリと斃れ、ピクピクと動いているにすぎなくなっている。
「何だムヒョ?何が起こったムヒョ?」
鍵道化師が驚いている最中、ホウオウレンジャーは青龍月刀の刀身を視てみる。
血のり一つ付いていない。それどころか、更に刃の輝きを増している。
かえって恐ろしいくらいに、自分がしたことを自覚した。
「許さんムヒョ!私が斃してやるムヒョ!」
鍵道化師は鍵剣を片手に向かってくる。
さっきと同じ様に、ホウオウレンジャーには相手の発する声や動きが、気が振動させるのを波紋として捉える。
(………由貴様、気力必殺技には、奥義があるのです。それは、気伝獸を信頼し、心を同調させなければ発動できません。)
すべての感覚が研ぎ澄まされ、あらゆる音・動きを曇りなき心で捉える。
(曇りなき心………………その奥義の名は………)
鍵道化師が振るってくる剣を、ホウオウレンジャーはまるで流水のように避けていく。
ひらりと青龍月刀が閃くと、鍵道化師の体には他の怪人と同じ様に斬られた跡があった。
「ムヒョ………何だか、体がムズムズするムヒョ…………ム、ム、ムヒョヒョヒョヒョ!!」
「鳴水星・奥義……………」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━゙明鏡止水゙!!
奥義の名が叫ばれると、鍵道化師は水飛沫を噴き出しながら倒れていった。
紐男爵は何が起きたかを理解できなかった。霊力によって強化された自分達が、ダイレンジャーもどきであるはずの少女に斃されているという現実も、どのように斬られているのかも。
「ムムゥ~~!こうなったら、マイのエクストリィィィム(最強)スキル(技)をウォッチ(見る)するがいい!!」
紐男爵は全身からありったけの紐を出し、すべてを針型に変える。そして、そこに紐雷電を流し、電撃を帯びた槍にしたのである。
(由貴様、奥義は威力は強いものの、消費する気力も相当なものです。肉体がない今、魂のみの状態では負荷が大きいのです。)
「………次で決めるね。」
次は刀を正面に構え、左腕を峰に添える。紐男爵はそんなことに構わず、全身の触手をホウオウレンジャーに向けて伸ばした。
「紐拳・秘奥義 ゙紐紐紐紐紐紐紐紐紐針地獄ッ゙!!」
パチパチと電撃が迸る触手が岩石に当たると、瞬時に砕ける。紐男爵は、自らの技に最大の妖力を込めたのであった。
それとは対照的に、静けさを保ったままホウオウレンジャーは気力を一閃のために溜めに溜めている。
これを切り抜け、見事生き返ってみせる。そう思う。
やがて、触手はホウオウレンジャーまで辿り着き、一斉に襲いかかった。
「これでフィニッシュ(最後)だァァッ!」
砂ぼこりが巻きおけるほどの爆発が起きた。伊達にパワーアップしてるだけはあるだろう。
「勿体なかった………あんなピュア(純粋)なプリティーガール……………んあ?」
砂ぼこりが晴れてくると、それが浮き彫りになった。なんと、ホウオウレンジャーは無傷で立っていたのである。
「ワッツ(何)!?
そのホウオウレンジャーは何も形を変えていない。本当に、あのままだったのである。
しかし、それはゆらり、ゆらりと消えていく。
「ワ、ワンダホゥ(びっ、びっくりだ)!!。由貴ガールがロスト(消えた)?」
そこにいたはずなのに。紐男爵が眼を凝らして視ても、そこには何もいない。
「鳴水星・奥義…………」
「ワッツ!?」
声がしたので脇を見てみると、そこには青龍月刀の閃きだけがあった。
なんと、ホウオウレンジャーはあの紐の大群を脱出したのである。
そして、青龍月刀が紐男爵に一太刀を浴びせる。受けた紐男爵は後ずさりしながら、ふらふらとなっていく。
「ワッツ…………ホウ(なん……だと)?。」
「…………鏡に写る花、水にある月………。それらは形は見えるけど、幻だから触れることができない。………敵の認識さえずらせば、水分身に釣られて攻撃は見当はずれの方向にいく…………これが………」
鳴水星・奥義━━━━━━━━━━━━━━━━━━゙鏡花水月゙!!
「か、カンニング……(ず、ずっこい)………」
ブチブチと触手が斬れ始め、紐男爵はその身をズタズタにされて崩れ落ちたのだった。
その隙に、ホウオウレンジャーは天宝来来の玉を掲げ、地獄へと気力の橋を呼んだのであった。
「帰れる…………」
もう二度と来たくない。そう思いながら、由貴は地獄を後にしたのであった。
正面から向き合ったホウオウレンジャーには、不思議なことが起こっていた。
「み、見える…………」
敵の動きがわかる。どのように行動するか、気が伝えてくれるのだ。
まるで、水が放つ波紋のように、相手が乱した気を感じ取り、相手の動きを見切っていたのである。
そして、刀で敵の攻撃を裁き、まるで舞うように美しく避けていく。
「バカNA!どうやっTE………NNNNNNN?」
ガマグチ法師達の体に斬り傷があった。何も感覚はない。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━だが、次の瞬間、その斬り傷から水飛沫が飛び散り、バラバラに引き裂けたのだった。
怪人達はドサリと斃れ、ピクピクと動いているにすぎなくなっている。
「何だムヒョ?何が起こったムヒョ?」
鍵道化師が驚いている最中、ホウオウレンジャーは青龍月刀の刀身を視てみる。
血のり一つ付いていない。それどころか、更に刃の輝きを増している。
かえって恐ろしいくらいに、自分がしたことを自覚した。
「許さんムヒョ!私が斃してやるムヒョ!」
鍵道化師は鍵剣を片手に向かってくる。
さっきと同じ様に、ホウオウレンジャーには相手の発する声や動きが、気が振動させるのを波紋として捉える。
(………由貴様、気力必殺技には、奥義があるのです。それは、気伝獸を信頼し、心を同調させなければ発動できません。)
すべての感覚が研ぎ澄まされ、あらゆる音・動きを曇りなき心で捉える。
(曇りなき心………………その奥義の名は………)
鍵道化師が振るってくる剣を、ホウオウレンジャーはまるで流水のように避けていく。
ひらりと青龍月刀が閃くと、鍵道化師の体には他の怪人と同じ様に斬られた跡があった。
「ムヒョ………何だか、体がムズムズするムヒョ…………ム、ム、ムヒョヒョヒョヒョ!!」
「鳴水星・奥義……………」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━゙明鏡止水゙!!
奥義の名が叫ばれると、鍵道化師は水飛沫を噴き出しながら倒れていった。
紐男爵は何が起きたかを理解できなかった。霊力によって強化された自分達が、ダイレンジャーもどきであるはずの少女に斃されているという現実も、どのように斬られているのかも。
「ムムゥ~~!こうなったら、マイのエクストリィィィム(最強)スキル(技)をウォッチ(見る)するがいい!!」
紐男爵は全身からありったけの紐を出し、すべてを針型に変える。そして、そこに紐雷電を流し、電撃を帯びた槍にしたのである。
(由貴様、奥義は威力は強いものの、消費する気力も相当なものです。肉体がない今、魂のみの状態では負荷が大きいのです。)
「………次で決めるね。」
次は刀を正面に構え、左腕を峰に添える。紐男爵はそんなことに構わず、全身の触手をホウオウレンジャーに向けて伸ばした。
「紐拳・秘奥義 ゙紐紐紐紐紐紐紐紐紐針地獄ッ゙!!」
パチパチと電撃が迸る触手が岩石に当たると、瞬時に砕ける。紐男爵は、自らの技に最大の妖力を込めたのであった。
それとは対照的に、静けさを保ったままホウオウレンジャーは気力を一閃のために溜めに溜めている。
これを切り抜け、見事生き返ってみせる。そう思う。
やがて、触手はホウオウレンジャーまで辿り着き、一斉に襲いかかった。
「これでフィニッシュ(最後)だァァッ!」
砂ぼこりが巻きおけるほどの爆発が起きた。伊達にパワーアップしてるだけはあるだろう。
「勿体なかった………あんなピュア(純粋)なプリティーガール……………んあ?」
砂ぼこりが晴れてくると、それが浮き彫りになった。なんと、ホウオウレンジャーは無傷で立っていたのである。
「ワッツ(何)!?
そのホウオウレンジャーは何も形を変えていない。本当に、あのままだったのである。
しかし、それはゆらり、ゆらりと消えていく。
「ワ、ワンダホゥ(びっ、びっくりだ)!!。由貴ガールがロスト(消えた)?」
そこにいたはずなのに。紐男爵が眼を凝らして視ても、そこには何もいない。
「鳴水星・奥義…………」
「ワッツ!?」
声がしたので脇を見てみると、そこには青龍月刀の閃きだけがあった。
なんと、ホウオウレンジャーはあの紐の大群を脱出したのである。
そして、青龍月刀が紐男爵に一太刀を浴びせる。受けた紐男爵は後ずさりしながら、ふらふらとなっていく。
「ワッツ…………ホウ(なん……だと)?。」
「…………鏡に写る花、水にある月………。それらは形は見えるけど、幻だから触れることができない。………敵の認識さえずらせば、水分身に釣られて攻撃は見当はずれの方向にいく…………これが………」
鳴水星・奥義━━━━━━━━━━━━━━━━━━゙鏡花水月゙!!
「か、カンニング……(ず、ずっこい)………」
ブチブチと触手が斬れ始め、紐男爵はその身をズタズタにされて崩れ落ちたのだった。
その隙に、ホウオウレンジャーは天宝来来の玉を掲げ、地獄へと気力の橋を呼んだのであった。
「帰れる…………」
もう二度と来たくない。そう思いながら、由貴は地獄を後にしたのであった。