「そうだよ………由貴ちゃんがいないと、世界を守り抜くなんてできないよ!」


「あたし達には、由貴ちゃんが必要なんだよ!道士!!」



嘉挧とて、生き返らせたい。だが、これが後に何の引き金になるかはわからないのだ。


「嘉挧様………私達に真なる正義や価値観などありはしないのです。何が正しいか、何をすべきか、できるかを考えるのは…………一人一人がすることなのです。」



決して正しいとも、間違ってるとはいえない。絶対的な答えなんてありはしない。
キッズ達はもちろん友達や仲間として由貴を助けたい。だが、それだけじゃない。
これから護る命、背負っている世界。それをちゃんとわかっている。



「…………もう何も言うまい。私も、お前達の可能性に賭けよう。」


『道士!!!!!』


嘉挧は下がっていくが、気力で王青龍の脳にのテレパシーを送る。
キッズ達の前では出来ないような話ではないが、まだ早い内容である。



(気伝獸であるお前がここまでするとは…………何かあるのか?)



(由貴様………いえ、ダイレンジャーキッズは誰が欠けてもならないのです。いずれ来る、巨大な力と戦うために。)



(!?。巨大な………力…………)



(それは私にもわかりません。ですが、地球と、地球に生きるすべての生命を脅かす存在が現れます。それに対抗するには、大連者になれる程の気力を持ったシュラ族の゙覚醒者゙が必要なのです。)



(覚醒者だと!?そんなものは聞いたことがない!)



(その話は後ほど…………今はあなた様にも、手伝っていただきます。由貴様は、その戦いの鍵になる御方ですから。)


覚醒者という、聞き慣れないことを気にしつつ、嘉挧は五星陣の外から気力の奔流の制御をすることになった。
コウは自然界にある気力を五星陣に取り入れるために、アンテナの役割として白虎真剣を取り出す。


「頼むぞ白虎。」


「任しときな!」



全員でアイコンタクトをして、確認しあう。準備は万全。白虎真剣を天に向かってかざし、コウは精神を集中させた。


「天の気力、地の気力…………宇宙の気力よ…………。波となり、身を包み、星を宿し、我に従え!そして、魂を骸に戻さん!!」




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━゙反・魂・術゙!!!!!







コウが詠唱し終えると、大自然に溢れる気力がスカイキャンプの分厚い外壁をぶち破って白虎真剣へ飛来する。



「ぐ………なんて気力の量だ…………」


手が震えだしてくる。気力はキッズ達と天宝来来の玉によって由貴の体へと流し込まれる。