全員がオーラチェンジャーを出し、キーを引いて差し込む。


『気力転身!!!!!』

ダイレンロッドを持ち、全員でラモンを突き飛ばした。
そのまま吹き飛ぶが、もう一人の魔神・ゴーグが現れてキャッチする。
その裏には多くの割れた人間果実があった。それは、病院にいた患者の多くが喰われたことを意味している。



「ラモンよ、一先ず逃げるぞ!」


瞬間移動して逃げる魔神達。それを追うため、キッズ達はキバー号を呼ぶ。キバー号は自動操縦で連れてってくれるため、免許は必要ない。
ホウオウレンジャーは初音がなってしまった人間果実を置いた。きっと魔神を斃して、元に戻すと心に決めて。
だが、一面を見渡すと汁を吸われてしまった果実がたくさんあった。それは、その人達の生命が奪われたということである。
助けられなかった。あの人達は、病気や怪我と戦いながら、苦しみながらも生きたかっただろうに。


「許さないわ………絶対に!」









その頃、商店街では更に大変な事が起きていた。そこにいる誰もが倒れているのである。
全員が虫の息であり、泡を噴いていた。ただ一人、嘉挧だけは倒れていなかった。
それは、強大な気力によって、通常の人間を上回る生命力を持っているからである。


「どうなっているのだ………?」


倒れている人間で死んでいる者はいないが、誰も起きれるような状態ではなかった。



「こんなことは………まるで………!?」


何かに気づいて振り向くと、1人の怪物が立っていた。嘉挧はその゙邪気゙を感じ取り、一瞬臆してしまう。
コイツをコウ達に会わすわけにはいかない。コイツは、著しい成長を遂げているキッズ達ですら、会うのは早すぎる存在。
まるで、ゴーマ皇帝と見誤るほどの邪悪さと強さを感じていた。



「我の能力に触れて、まだ立っていられるとは………余程素晴らしい力を持っているようだな。」


嘉挧は気力を練り、光弾を作り出す。グングンと力を溜め、パワーを上げていく。


「なる程………エクトプラズマーに似た性質の技か………。現世にはこのような技を使える人間がいたとはな。」




嘉挧は溜めに溜め、気力光弾を放つ。着弾した衝撃で商店街中のガラスが割れていく。
煙が巻き起こる中、嘉挧は冷静にその内部を見つめていた。