ついに夏休みも終了し、明日からは新学期。再び学校へ通うこととなった。
コウは鞄に宿題を詰めていく。今年は………別世界でとはいえ、由貴や頼れる友達との協力で早く終わらせることができた。本当に感謝している。
もう寝ることにしよう。夜更かしばっかしていたが、もはやそれも難しいのである。生活リズムを戻さなければいけないのだから。
コウは布団に入り、久々に会う明日を楽しみにした。














「ん?ここは………」


赤い岩場がある。まるで、そこはこの世のものではないようで。血のような池と、針の生えた山。
明らかに自分がいるのは夢だとわかった。寝ている自覚と、白装束を着ているからだ。
縁起が悪い。せっかくいい気分で寝られたのに。


「よく似合うじゃないか。」



聞き覚えのある声。それはもう聞けないはずの声。


「阿古丸………」



そう。かつて、自分をゴーマに引き込もうと企み、母をさらった張本人である。
阿古丸は反対に黒装束で、若干の距離を置いて対峙している。


「何しにきた………今は、違う世界にいるんだ。」


「知ってるよ。地獄から見ていた。」


どうやら、ここは地獄らしい。阿古丸は幼いとはいえ、悪行を重ねたから着たのだろう。


「君の中にはダイ族とゴーマ族の血が流れてる…………それを自覚する日が近いよ。」



「え?どういうこと?」


「コウ、もうじき………君の大切な仲間が誰か死ぬことになるよ。」



信じない。信じたくはない。阿古丸の言ってることは、デタラメだ。


「そんな嘘に引っかかるもんか!」


「まあ、怒るなよ。ただの占いさ。信じるか信じないは君の自由。でもね、これだけは覚えておきなよ。」



霧が広がりはじめ、阿古丸や地獄の景色が見えなくなっていた。



「君ば血゙を受け入れるしかないとね。」













そこでコウは目覚めた。思わず、拳を握り、気を解放してしまう。周囲のものが浮いてしまった。



゙「君の大切な仲間の誰かが死ぬよ。」゙



「させない…………絶対に!!」