「ウラアッ!」


刀をずらし、距離を取る。シンケンダークはショドウフォンで゙爆゙の字を書き、シンケンレッドへ放つ。
それを避け、シンケンダークの刀を弾く。クルクルと空を回るシンケンマルがやがて落ち、地面に突き刺さる。


「お前の力は強い。だが、そんな使い方では何も生み出さない。」


「…………」


シンケンマルなど無くとも、素手で襲いかかってくる。
だが、シンケンレッドは刀を振るわずに言葉をかける。


「俺はお前のことをすべて理解は出来ないだろうし、お前だって俺をわかることはできない。」



「ラアッ!」



「だが!!」



シンケンダークの拳をシンケンレッドが受け止める。プルプルと震えながらも、しっかりと握る。


「だが、一緒にその苦しみを考えることも、分かち合うことも出来る!。お前と、一緒に背負う!!だから、お前も俺にぶつけろ!!お前自身を!!!」


拳を払い、今度はシンケンレッドが殴る。倒れたシンケンダークは、仰向けになる。
しばらくの静寂。すると、立ち上がってシンケンマルを抜き、シンケンレッドへ打ち込む。
ギシギシとシンケンマル同士が鳴ると、シンケンダークのスーツが剥がれていく。


「…………志葉丈瑠………俺は…………俺は………」


洗脳は既に解けていたのである。そこで丈瑠も変身を解除する。


「俺が無知だったのは謝る。だから、これからは仲間として、一緒に考えていこう。お前が背負ってきた宿命を、断ち切るために。」


頷く倭人。彼は涙を見せるつもりはなかった。男は、親と主君が死した時のみ涙を見せるものと教えられてきた。
だが、こんなにも、心を震わせたのは初めてだったのである。


「倭人、今は………」




「ああ!」