ジェットマンの世界／愛のから騒ぎ⑧

由貴は本当に健一へ感謝をしている。そのことを、健一も理解していた。
だが、それ以上は何もない。決して、ﾞ友達ﾞという枠から外れたわけじゃない。



「………由貴ちゃんは、誰とデートのペアになりたかった？」


ハッとしたが、無意識の内に言ってしまった。由貴は顔を赤くし、下を向いてしまう。


「どうして、そんな事聞くの？」


「いや、なんとなくっていうか………」


こうなったら、このまま押し通すしかない。健一は由貴をジッと見つめた。



「さ、作戦だから………誰とだって良かったよ……」


作戦ﾞだからﾞ。そうでなければ、やはりコウとデートしたかったのだろうか。
そんなモヤモヤした気持ちを、健一は抱いてしまった。



正夫と優美は円滑にデートを楽しんでいた。緊張しながらも、正夫はメリーゴーランドに乗ったりして楽しんでいた。




そんな中、ジェットコースターを降りた後に町子はコウをボコボコにしていた。
泣き叫んでる所を見て、やや笑ってしまったせいである。



「痛い………でも、泣いてる町子ちゃん、貴重だよな～」


「もっぺん殴られたい？」


「やーめーてー！！」


飛び出てきたのはミチルだった。リボンでまとめたツーテールが揺れている。