「大丈夫?」


「う、うん………」


「良かった。あ、僕らがダイレンジャーだってことは黙っててね。」



去ろうとすると、少女はコウの服を掴む。


「な、何?」


「お、お礼くらい言わせなさいよ!。」


長い髪をツーテールに束ねていて、なかなかの美少女である。
顔を赤くして、ジッとコウを見つめる。


「さ、さっきはありがとね。」



「どういたしまして。じゃ。

今度こそはと思うが、もう一度服を掴む少女。


「あのー………」


「お礼くらい、させなさいよ!」


近くの駄菓子屋まで行ってアイスクリームをお礼として貰うキッズ達。
彼女の名前はミチル。どうやら、今回の事件に姉が巻き込まれたらしい。
姉は結婚式の途中、人が変わったように旦那を拒絶し始めたとか。


「あたしたち、パパ達が事故で死んでからは2人で暮らしてきたの。でも、あの人は優しくてお姉ちゃんもあたしも大好きなの。お姉ちゃんを元に戻したい。」


ミチルの気持ちを一番理解できるのはコウだった。父母がいないという境遇を味わってる彼にとって、この事態を見逃すわけにはいかない。


「わかったよ!僕が解決してみせるよ!」