もう一度転身し、スターソードを片手に向かっていくキリンレンジャー。
それを見ながら、由貴は思った。誰もが戦うときは怖いもの。きっと、亮やダイレンジャー、コウ達だって。
それでも、戦うのは大切な人を護りたいから。自分達がいる世界を、守りたいから。
この恐怖に打ち勝たなくては、自分達の世界も、この世界も救われない。
何も護ることが出来ない。だから、戦うんだ。


己に━━━━━━━━━━━━━━━━━━克つために。




ギュッと拳を握り、腰に下げていた白虎真剣を手に持つ。


「白虎ちゃん、確か、生き物のご先祖様は海から生まれたんだよね?」


「ああ……。すべての生命を包み込む海………水は生命の母親だ。」





「キャアッ!」


「うわっ!!」


吹き飛ばされた2人は倒れてしまい、痛みで立てなくなっていた。
ジューザは杖に力を溜めている。どうやら、結晶化させるのではなく、斃そうとしているようだ。

「粉々に吹き飛ばしてあげるわ………」



「待ちなさい!!」



由貴はヘアゴムを外し、ジューザを睨む。その目は乙女でありながらも、戦士としての覚悟を持った眼であった。


「あなたはたくさんの世界を滅ぼしてきたかもしれない。でも、あたし達がいる限り、あなたの好きにはさせない!」



「………すべての生命は私の意に従うべきだ。強者に弱者の命が握られているのは、世の理だ。」


「そんなのヒドい!もしそうだっていうなら…………あたしが、あたし達が変えてみせる!!。気力転身・オーラッチェンジャーーー!!」