ジェットマンの世界／女帝の恐怖④

夢では殺されてしまったコウだが、ここではちゃんと生きている。
自分をいつでも見てくれる。そう思えた。


「ありがとう………」


しかし、由貴のお礼はあまりに元気がない。
学校に着いてからも、元気な様子は無かった。




待ちに待った時間目の家庭科。今日は調理実習で、ﾞかに玉ﾞを作る。ダシを取り、１から作るのである。
ふざけあう男子も数名いる中、町子はガミガミ怒っている。
ごれ以上やっていては殴られる。そう思ったコウはその男子を止めに行くが、ふいとドンッと小突かれてしまう。



「わわっ………」


テーブルに手をついて堪えるも、左手が水溶き片栗粉の入ったボウルを空へと上げてしまう。
それはボーっとしている由貴の頭上にいき、下りていく。誰かが避けるように言ったが、由貴が気づいた時には遅かった。
びしゃっと被り、とろみのついた水溶き片栗粉が由貴の体に付着する。


「ごめん！大丈夫！？」


すぐに謝りに行くコウ。その一方、健一含めた男子の数人は涙目で、白濁の液体にまみれた由貴の顔を見て、赤面していく。

「うん………平気だよ……



顔に手を当て、ねちょりとした水溶き片栗粉を指で取り除こうとする。