顔を上げ、視線の先にはリュウレンジャーとラディゲがいた。きっと、亮ならば仇を討ってくれる。
そう信じていた。そして、2人の刃が交差する。…………



━━━━━━━━━━━━胸を貫かれたのはリュウレンジャーだった。転身が解けて倒れる亮。
血が溢れ、それを浴びてラディゲが歓喜している。



「いやあああぁぁぁァァッッ!!!」








「!!?。はぁ…………はぁ………夢?」



汗をかいて飛び起きた由貴。既に朝日が差し込んでおり、起きる時間帯だ。
パジャマを脱ぐと、意外に汗をかいていた。いやな夢だったから。
胸をつけ始めたジュニアブラに収め、シャツを着て髪を束ねる。
下に降りていくと、弟の真司が由貴の異変に気づいた。


「お姉ちゃん、ズボン履いてないよ。」


「!?」


ボーっとしていて気づかなかった。部屋に戻り、急いでズボンを手に取る。
こんなんじゃバイラムが現れた時に戦えない。もっと明るくしようと鏡を見て笑顔を作った。





「おはよう!」



後ろから声をかけてきたのはコウだった。相も変わらずスケボーに乗ってきいる。だが、由貴からの返事はない。
無理を出来なかった。夢が気になって、作った笑顔も無駄になっている。
やはり元気がない由貴に対して、コウは隠し持っていた飴玉を渡す。


「由貴ちゃん、特々濃ミルク好きだったでしょ?」