コウたちが駆けつけると、ザイドスが着ていたであろう幹部服の周りには泥があったが、そんなのは気にしない。

血生臭い道路に横たわる人々。正夫は吐き気に襲われるほどった。恐る恐る歩いていくと、見覚えのある自転車が。
それは、由貴の母親の物で買い物によく使っているものだった。その横には、変わり果てた母と弟の姿があった。
弟の体は半分潰れており、母親も首と胴体が分断され、確認できる全てを繋げても元に戻りそうもない。


「い…………いやああぁぁァァァッッッ!!!。あぁぁ………お母さん……真司ィ………あぁァァッッッ!!!」


近づこうとする由貴を必死に抑える子供たち。コウは嫌な予感がしながらも、前に進むことを提言する。


泣きながらも、由貴は前に進んでいく。なぜこんなことになったのか、想像がつかなかった。
進む度に酷い光景が現れ、ついにはダイレンジャーを発見する。
将児と知は既に息絶えており、大五は半身を失ってなお、リンに呼びかけていた。
リンは五体満足であり、唯一動けそうだった。コウたちは駆け寄り、肩を貸しながら起き上がる。

「大五!………ひどいアル……」


「俺に構うな………亮がまだ、う………戦ってるんだ……………」