ヒビキから響鬼へ、その意志は伝わった。


「明日夢、お前は響鬼を受け継ぎ、俺を超えていけ!………それが俺からお前への最初で最後の課題だ。」


大きすぎる背中を超えていくことは、明日夢にとっては辛いことだ。しかし、やらなければならない。それが選んだ道だから。
憧れ、追い続けたヒビキへの最後の恩返しだから。






響鬼は叩き続けた。牛鬼磨修羅王は苦しみ、雄叫びを上げる。一呼吸置き、音撃棒を振り上げる。



「はぁぁぁぁぁ………ハァッ!!!」



ボボンッ、という音が響き渡る。やがて牛鬼磨修羅王の体は破裂し、木の葉へと変わった。
伊吹鬼と轟鬼も、駆けつけた京介とあきらも、何も言葉をかけれない。かけるべきではない。
響鬼は大きく息を吸うと、振り返る。


「さあ、゙オロヂを止めないと。」


伊吹鬼は頷き、音撃太鼓を叩こうとするが、大量の魔化魍が現れる。
一同に臨戦態勢に入るが、様子がおかしい。魔化魍たちが呻き、苦しみ始めた。
やがて魔化魍たちが蒸発するように、ただの邪気へと変わり、一点に黒い雲となって集まる。