数日後………






人類解放軍の集落では、共存に賛同するオルフェノクたちも住むようになっていた。
最初は懸念していた住民も、次第にわかってきた。人間もオルフェノクも大差はない。
修二と里奈はその取りまとめに苦労していた。改めて、真理の苦労を知ったのである。
半ば先生のように、子供たちに囲まれている。
「結局、弱いのは力に溺れてしまう人間の心だ。」
「だから、みんなは夢を持ちましょう。弱さに負けない、綺麗な夢を。」
『ハーイ!』




河原では、巧と勇治が川を眺めていた。色々なことがあった。
2人とも失いすぎた。彼らは戦友として、親友として、運命と戦いすぎたのだ。
「最後にお前がいてくれるってのは、嬉しいもんだな。」
「………怖いかい?」
「ああ。今ほど、生きたいって思ったことはないくらいだ。」
幼少のころの覚醒に加え、度重なる戦い、ハイアクセルブラスターフォームの影響で、巧の体は限界を迎えていた。
既に視力はほとんどなかった。だから、言葉で伝えなくてはならない。自分が見たいものを、見たかったものを。