数日後………



既に葉が落ちた銀杏並木の中を走る5人。ゴーマが現れないか見張っていたが、何事も起こらないため、ダイレンジャーを解散することとなった。
まだ走る。止まれば、その瞬間が訪れてしまうから。でも、前に進むためには止まらないといけない。
「………ここらにしようか……」
誰が言ったかはわからない。でも、5人の歩みは止まった。
静かに円を囲む。暫くの沈黙。誰もが思うことを、口に出来ない。
風が冷たい2月。まるで、今の自分たちのようだった。そんな中、将児が口を開いた。
「去年の今日だったか?俺たちが初めて転身したの………」
5人が、ダイレンジャーが始まった日を選んだのに、わざとらしい。
「ああ。亮とリンを迎えて、紐男爵と戦ったんだ。」
「確か、私を受け止めてくれた亮を、ゴーマだと思ってブッ飛ばしてしまったアル。」

「ああ……あれは痛かったな……。」
「僕も、自転車に乗ったのは久々でしたね~。」
大五が答えると、次々と喋り出す。それから、語り尽くした。