後半スタート

いつものシャダムではなかった。そう、遠い昔に生まれた一つの生命体。
まるで、アダムのように泥から生まれた者。それはまさに純粋悪と呼べるほどに、禍々しいオーラを纏っていた。
「転生を繰り返し、ゴーマの血筋を手に入れた。俺はこの地上を支配する……」


ﾞゴゴゴゴゴゴﾞ


「うおわぁ……とりあえず、脱出するぞ」
再び崩壊が始まる。シャダムを残し、ダイレンジャーたちは脱出を図る。
同時にシャダムも、オーラに包まれて脱出した。


「みんなー、こっちだがや！」
亀夫が走ってくる。合流した時に話を聞くと、天宝来来の玉は消えてしまったらしい。
「でも、シャダムはまだ斃してないアルよ？」
「ああ……まだ、終わってない………」
朱い光が肥大していく。ゴーマ宮廷が完全な崩壊したとき、巨大な怪物が姿を現した。
体のあちこちに、デスマスクのような痕がある。それは人々の憎しみと、転生してきただけの数を現しているのかもしれない。
餓狼鬼のような髑髏型の顔と、体に巻きつく触手にはゴーマの象徴たる一つ目。
「あいつ………まだあんな力を………」