完成披露試写&報告記者会見開催!! | 映画「TAJOMARU」オフィシャルブログ

完成披露試写&報告記者会見開催!!


映画「TAJOMARU」オフィシャルブログ


7月5日(日)、映画『TAJOMARU』の完成披露試写及び報告記者会見がユナイテッドシネマ豊洲にて行われました。登壇者は、小栗旬さん、柴本幸さん、田中圭さん、やべきょうすけさん、松方弘樹さん、中野裕之監督、山本又一朗プロデューサーの計7名。
朝早い時間にも関わらず、会場には多くの方が詰めかけ熱気に包まれていました。
今回の役どころについて、小栗さんは、「今の僕らには想像しがたい世界の中で、もがきながらも何故生き続けられたのかをずっと考えながら演じていました。」と真剣な表情で語り、また夜は毎日飲み会だったなど、撮影現場の話も語られました。 プロデューサーの山本さんからは、小栗さんの舞台での演技にインスピレーションを受けたことから今回の映画制作に至ったことや、中野監督はこの映画は役者力による映画というコメントがあり、出演者の皆さんの演技力を称えていました。
七夕が近いということで、キャストの皆さんは浴衣姿で登場し、最後にはそれぞれの願いが書かれた短冊が披露されました。


   
●ご挨拶

小栗:こういった感じの映画が出来上がりました。一人でも多くの人達のところに届けばいいなと思っているので、皆さん、どうぞよろしくお願いします。

柴本:素敵な役者さんの力を本当にたくさんお借りしました。この映画に参加させていただけたことをうれしく思っています。

田中:役者として大先輩である皆様に囲まれ、良い役をいただいて、本当に楽しみながらできたと思います。

やべ:本日は皆様お忙しい中、『TAJOMARU』を見ていただき、本当にありがとうございます。本当に素晴らしい役柄をいただきまして、非常に楽しくやれた作品です。皆さんにもご協力いただいて、一人でも多くの方に観ていただきたいと思っております。

松方:たくさんのお客様に来ていただき、本当にうれしいです。封切りの時にも、このくらいのお客様が連日入ってくれると、この作品は大ヒットします。是非、皆さんよろしくお願いします。

中野:今日は朝早くからご覧いただきありがとうございます。映画は観客に観ていただいて初めて完成すると思っています。ですので、先ほどやっと完成いたしました。今日はどうもありがとうございます。

山本:朝早くからの試写会ということで、今日はありがとうございます。真冬に撮った作品なので、映画を観ていると、しばしば吐く息が白い場面があったかと思います。黒澤明監督は昔、息が白くならないように氷を口に含んで演技をしろと言ったそうですが、我々はそういう残酷なことを役者にはいたしません。楽しく苦しい撮影を乗り越えて、やっと完成してお披露目となりました。皆さんの口コミによって、大ヒットさせてもらえるとありがたいと思っております。本当に今日はありがとうございます。


■主題歌がB'zの「PRAY」に決定したことが発表され、B'zからのコメントを公表

●この映画主題歌のタイトルが「PRAY」、祈るということで、非常に詞の世界観も近いのかと思います。山本プロデューサー、決定の経緯をご説明いただけますか?

山本:実は率直に申し上げて、いわゆる“時代劇”という作品にしたくない、という気持ちがありました。挿入歌にチェスター(リンキン・パークのヴォーカリスト)とJETの2曲の外国曲が入っているのですが、当初は主題歌も外国曲にしようと、色々と有力な方々に名をあげていただきました。ですが、作品を観て、作品のテーマに合わせて書いてくれるということは、なかなか外国の場合は難しいのです。作品もまだ出来上っていなかったので、脚本を読んでもらって、ある程度フッテージを観てもらって、この映画のために書いてくださるということで、すばらしい世界観を持った作曲家でありパフォーマーのB'zに是非ということでお願いしました。日本のロックシーンをリードしている彼らによって、少しでも時代劇色を払拭するイメージを作りたかったのです。大変いい曲が上がったと思います。

●小栗さんは先ほどエンディングを聞きながら口ずさんでいらっしゃいましたが、この「PRAY」をお聞きになっていかがですか?

小栗:すごく良い曲だと思います。本当に映画の世界に合っていて、最後にこの曲を聞くと希望がある気がして、映画自体の背中を押してくれている感じがします。


■続いて、『TAJOMARU』の登場人物が、国内外で活躍されているイラストレーター形部一平さんの手によりキャラクター化されたことを発表
今後、従来の時代劇にとらわれないビジュアルで、コミック、アニメーション、フィギュアなどで展開していく予定


●小栗旬さんの実写の顔がこのようにキャラクターになりました。小栗さん、ご覧になっていかがですか?

小栗:すごいですね。形部さんの絵はすごく色使いもよくて、俺も最初から左目のところにサンダーのような影を入れればよかったかなと思いました(笑)。

●かぶりものをして、すごくかっこいい姿になっていると思います。やべさんは、ご覧になっていかがですか?

やべ:僕もフィギュアを集めるのが好きなので、全種類ほしいなと思いつつ、(髪型が)プードルからアフロに変わったんだなと思っています(笑)。問題なのは、身長がどのくらいなのかなと思いまして、僕は割と小さいですが。

小栗:でも、ちょっと格好よすぎるよね?

やべ:そうですね~。「昼は盗賊、夜宴会(劇中のセリフ)」って言っている感じではないですよね(笑)。僕自身も楽しみで、アニメとかも観たいなと思っています。


■質疑応答

映画「TAJOMARU」オフィシャルブログ ●まず、小栗旬さんにお伺いしたいと思います。今回の直光、多襄丸というのは、運命に翻弄されながら葛藤していくという、非常に大変な役どころだったと思いますが、多襄丸はどういう性格・役ととらえましたか?

小栗:テーマとしては、「こんなに辛い状況の中で直光はなぜ生き続けていくのだろうか?」ということをずっと考えながらキャラクターを作っていきました。今の僕らでは想像し難い世界の中で、こういった“お家柄”の次男として生まれた彼の、歩む道というものを失ってまで、もがきながら生きていくことに、「なぜそれができたのだろうか?」とずっと考えていました。

●演じるのは難しかったですか?

小栗:そうですね。でも、色々な方、周りの共演者の方たちから頂いたものがたくさんあったので、苦労というよりは刺激の方が強かったですね。


映画「TAJOMARU」オフィシャルブログ ●阿古役もすごく難しい役だったと思いますが、心情を理解するのが大変だったのではないでしょうか?

柴本:一つ一つ理解していると精神状態が足りなくなるほど、メンタル面ではかなりハードなキャラクターでした。現場に行って、ご一緒する役者の方々に助けていただいたという感じです。



映画「TAJOMARU」オフィシャルブログ ●桜丸は性格の起伏を演技で表現しなければならないという部分で大変だったと思うのですが、ご自分ではどのように挑みましたか?

田中:最初は、桜丸が直光や信綱に拾ってもらった恩があるのに謀反を起こすこと自体、僕には理解ができませんでした。まず最初に脚本を読んで、山本プロデューサーや監督から時代背景や色々な話を聞き、「なんでそのように思ったのだろう?」ということを考えながら演じました。ワンシーンごと、皆さんと一緒に桜丸について考えながらやっていったという感じでした。



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●やべさんが登場すると、楽しい現場だったのだろうなと映像でも伝わってきたのですが、撮影現場はどんな感じだったのでしょうか?

やべ:まず、盗賊の役なのですが、実際に盗賊になったことはありませんから(笑)、どういうイメージにするかということを仲間である山口さんや綾野くんや須賀くんと色々話をしました。「とりあえず盗賊って飲むんじゃない?」という話がでたり、なるべく現場に入る前から話をするようにしていました。役作りの話をしているのか、世間話しているのか分からないのですが、そんな中で色々な話ができたので、僕らの思う盗賊のあり方ができたと思います。そこに小栗くんが多襄丸として入ってくるということで、撮影現場ではもちろんですが、(小栗くんが)すごく体を張って、気持ちを張り詰めてやっていたので、そんな姿を見ていると僕たちも自然と“頭”と呼びたいなと思えてきました。ただ、言っておきますが、僕はお酒が好きではない人間なので、役作りとはいえ頑張って飲んでいた感じです。もちろん演技に支障がない程度だったですよね?(笑)大丈夫ですよね、監督?

中野:はい(笑)。

やべ:そういった形で楽しく、厳しくやっていたなという思いがあります。

●やべさんのお話を横で小栗さんはニヤニヤ笑いながら聞いていましたが、撮影現場は実際いかがでしたか?

小栗:いやー、皆さんよく飲まれていましたね。僕は全然飲まなかったのですが(笑)。

やべ:嘘ばっかりでしょ、あなた(笑)。またそういうこと言うから、どこまでしゃべっていいんだろうって思ったりして、汗をいっぱいかいちゃうんですよ。

小栗:何回、「昼は盗賊、夜宴会」と言ったかわからないね(笑)。

やべ:あのセリフも自然と生まれた言葉ですからね。こういう感じでいいのかなと思いながらやっていました(笑)。でも、皆が撮影現場でも楽しんでくれていたので、これでいいのかなと思いますね。監督がOKであればOKというところでやっていました。


映画「TAJOMARU」オフィシャルブログ ●松方さんは、多襄丸という大盗賊を演じられた中で、新生多襄丸の小栗旬さんと共演されてどういう感想をお持ちですか?

松方:その前に、皆さん結構嘘ばっかりです(笑)。撮影は広島の“みろくの里”というところで行ったのですが、僕は、滞在したのは一週間程度でしたが、毎日が宴会でした。ちなみに、隣に座っている田中圭くんは、酔っ払っているところしか見たことがないです(笑)。そんな状況で撮影をやっておりました。現場は非常に寒くて大変でしたね。また、小栗旬くんに対してですが、最近の俳優さんは、結構いい子、いい人が多いのですが、旬くんのいいところは、非常に不良性感度豊かなところです。悲しいかな、悔しいと思うのは手足が長い、顔がちっちゃいことですね。僕だって僕の時代はまあまあだったけれど、世の中変わったなとしみじみ思い、うらやましい限りで撮影を終わりました。その後も、NHKの「天地人」でご一緒させていただいていて、「なかなか大変なセリフをよく覚えて来ているな、若いっていいな」としみじみ思う今日この頃です。私は、セリフを覚えるの大変です(笑)。そんなことを思いつつ多襄丸をやらせていただきました。

映画「TAJOMARU」オフィシャルブログ ●監督が、撮影中に涙を流したという話を聞いたのですが、今回の撮影でどんな思い出が残りましたでしょうか?

中野:編集でカットされている部分もあるのですが、小栗旬が泣いているシーン、柴本幸ちゃんが泣いているシーンをたくさん撮影していました。泣くという芝居に対して、撮影を一回に済ませてあげた方がいいので、カメラを2、3台用意していたのですが、カメラマンがいない時がたまにあり、僕もカメラを覗いていました。ちょうど沼で旬くんが刀を抜くところを見ていて、そこで泣いてしまいましたね。そのシーンが撮影で一番緊張していたし、そこさえうまくいけばと思っていました。寒いのに、本当によく頑張ってくれました。役者力の映画だと思っているので、出来れば皆さんにお手をお借りして、役者さんに拍手をしていただきたいのですが、お願いできますか?

(観客一同拍手)

映画「TAJOMARU」オフィシャルブログ ●芥川龍之介の「藪の中」が原作で、そこからのオリジナルストーリーとして『TAJOMARU』が出来上がりましたが、山本プロデューサーは、なぜ、この『TAJOMARU』を作ろうと思われたのでしょうか?

山本:遡りまして、小栗旬が「カリギュラ」という舞台をやったのですが、この切符が全部1日で、売り切れてしまうという好評だったんです。そこで、「何で小栗の舞台がこんなに人気があるのかな?」と思いまして、大阪に舞台を観に行きました。さすがに迫真の演技で僕も雷に打たれたような気分でした。そして、舞台が終演になり帰る時間になったのですが、真ん中に座っていたので出ていこうとしても、隣に座っている女性たちが泣いてしまって失神状態で、動けなかったんです。右も左もその状態でした。それは小栗の演技力というか、肺腑をしぼるような芝居の強さというものに撃たれた結果なのだと思いました。ちょっと通してよというわけにもいかず、5、6分くらい立って考えている時に得たアイデアが、何とかこういう芝居の力で押すような映画が作れないだろうかというものでした。ここにいらっしゃっている役者さんのように十二分に力を蓄えていらっしゃる方々にお願いして、役者の持っている芝居をする力で観てもらえるような映画を作りたいと思いました。黒澤監督の映画の中で、私が一番大好きな『羅生門』の原作になった芥川龍之介の「藪の中」という題材はずっと頭の中にありましたので、換骨奪胎して、我々の芝居の力を見せられるような「藪の中」を、多襄丸というメインキャラクターに託して新しく作ろうという、そういう趣旨で始めました。



●今回の作品の宣伝のキャッチコピーに「絶対女を捨てない」とありますが、キャストの皆さんがそれぞれ捨てられないものがありましたら教えて下さい。

小栗:僕は基本的に物を捨てられないです。なので、家が物だらけになってしまっているのですが、本当に捨てられないものは「自分自身である」ということです。そういうものを曲げてまで生きていたくはないなと思っています。

柴本:私は人の思いはすごく大切にしたいので、いただいた手紙は捨てられないですね。手紙の入った箱がいくつもあります。

田中:捨てられないものはいっぱいあります。最近、捨てなければと思っているのは、体を洗うタオルがボロボロなのでそろそろ換えなければと思っています。愛着があるのでなかなか捨てられないです(笑)。

やべ:人の気持ちとか、それに応えることが出来ないこともあるのですが、感謝する心とか、そういう気持ちですね。もちろん捨てようとも思わないですが。
後は捨てられなかったという意味で、今日は朝が早く、燃えるゴミの日だったのですが出せなかったことが非常に気になっています(笑)。すみません、ダダずべリでした!

松方:非常に難しい質問だと思います。僕はこの業界しか知らず、気がついたら50年近くやらせていただいておりますが、プロデューサー、監督、共演者など、たくさんの素敵な方とご一緒させていただきました。僕が捨てきれないのは自分自身ですね。この世の中を生きていくために、自分を曲げて、少し折れることはありますが、やはり俳優業をやっている限りは、自分を主張して演じていきたいなと思っています。なので、やはり捨てきれないのは自分自身だと思いますね。

●小栗さんは、松方さんや田中圭さんと立ち回りのシーンがありました。それぞれ、どんな印象でしたか?

小栗:松方さんのスピードについていくのがやっとでした。一日ですごく成長できた気がします。色々な事を教えていただきましたし、自分が思っていたところと全然違うところに刀を振ることもあるということを知りました。
それを踏まえて圭くんとできたので、最初の頃よりは、見せ方、動き方が出来るようになっていたのではないかと思います。

●この映画に出て、役者としての心境の変化や、新しいものを見つけたということはありましたか?

小栗:とにかく去年から今年にかけて参加している作品が、意外と時代劇が多くて、今ある自分では到底届くことの出来ないものがこういう世界には山ほどあるんだなということを知れただけでも、次のステップが出来たかなと思っています。

●七夕にちなみ、皆さんに短冊にお願い事を書いていただきました。それをお1人ずつ発表していただきたいと思います。

山本:僕が書いたのはこうです。「この作品は深く愛されたい。もちろん一人でも多くの人に。」ちょっと照れくさいです。

中野:ものすごく恥ずかしいですが、「最後には仲直り。愛は試される。この映画が多くの人に観てもらえますように。」と書きました。

松方:非常に短いです。「大ヒットを願う 松方弘樹」

やべ:僕も、「『TAJOMARU』が一人でも多くの方々に観ていただけますように」これ、表向きですね。こういう流れになると思っていたので。僕の本心から言うと、「『TAJOMARU』が大ヒットして、道兼一派のスピンオフができたらいいな」というのが本来の願いです。よろしくお願いいたします!

田中:経験不足ですね。こういう流れになると思っていなかったので。桜丸にかけてと言われたので「人を斬らないでも、のし上がれますように」と書きました(笑)。

(一同大爆笑)

柴本:「『TAJOMARU』がたくさんの方の心に届きますように」と書きました。

小栗:「もっと自由になれますように」と書きました。僕らの時代、僕らの世代と言うのは、正直、本当の自由というものを履き違えていると思うんです。今の自分の自由というのは決して自由ではないです。もちろんこの『TAJOMARU』の時代などからしたら僕らはすごく自由で、それぞれ自分たちがある程度物事をチョイス出来るようになっていると思うし、そのことを考えるための情報もたくさんあって、そういう点では自由なんだと思います。でも、もっと精神的に開放できるようにと思って書きました。