中国遼寧省の大連にはかなり前から行きたいと思っていましたが、今回ようやくそれが実現しました。昔NTTで中国政府・企業との通信事業提携に取り組んでいたころ、大連にNEWSOFTというすごい会社がある、とか、大連には日本語に堪能な膨大な数の中国人人材がいるとか、大連の町はアカシアの街路樹があり古くて懐かしい日本のようだ、とかそんな話を色々と耳にしていました。

町といっても人口は600万人。千葉県とだいたい同じ規模です。そして一人当たりのGDPも中国で第三位。北京よりも上回っている地域です。今回は、親交のある大前研一さん(大連を大きく躍進させた功労者として抜群の知名度でした)に大連をご案内頂いたのですが、大前さんを経済顧問にした前市長(現中国共産党大連市市委書記)の夏徳仁さん、現市長の李万才さん、そして産官学連携のモデル、NewsoftのDr.リュウ社長(別名中国のビルゲーツ)などとお会いし、何も無いところから大都市を誕生・発展させるに至ったその実体験を共有していただきました。また、大量の優れた人材を供給している東北大学(NEU)なども訪ね、産官学の連携の重要性と、学ぶことに貪欲な若者達を目の当たりにすることもできました。さらに日系企業のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業の現場も視察させていただきました。

今回のプライベート視察はわずか2泊3日という短いものでしたが、私の主たる目的はこの視察から多くの刺激を得、日本のこれからの成長戦略に役立てて行きたいというものでした。大連は成田から飛行機でわずか2時間半の距離。中国で日本から最も近くに位置する大都市の一つです。また、中国北東部、遼東半島、旅順などは日本との繋がりも深く、朝鮮民族やロシア人との交流も多く、独特の文化もあります。気候や風光にも恵まれ、町のGDPの一割が観光からという点にも驚きました。

今後は地元の経営者や大学関係者、行政関係者とも連携しながら、国会議員の立場から、千葉市・千葉県、そしてわが国の発展に繋がるような大連との連携を図っていければと考えています。また、中国東北部に関心が高まりましたので、いつか長春とハルビンも訪ねたいと思いました。