ちいこの保健室にようこそ

 

学校の保健室の先生を、29年間勤めました

学校に勤めていた時に出会った女の子の話です

 

中学2年生の女子

Hさんは、人懐こくておしゃべりが好き

よく休み時間は

保健室に遊びに来ていました

 

 

中学2年生の女の子と言えば

みんな、おしゃれに気を使い始めるころ

 

 

学校の決まりがある中でも、

少しでも自分のこだわりの髪形にしようと

コテでちょっとだけカールしたり

わからないようにちょっとだけ眉を描いたり…

内緒でがんばっています

 

 

特に、清潔感には気を配ります

お昼休みに、歯磨きをします

 

いいにおいのシャンプーは毎日する

これ、当たり前・・・

 

 

なのに、このHさん、中2女子なのに

清潔感ゼロ!

 

 

髪は、何日洗ってないんだろうというくらい

ベトベト、ブラシでとかしても来ないので

わしゃわしゃに絡まっています

 

 

 

制服も、ボタンが取れたり

スカートの裾がほつれて、

びろーーーんとなっていても気にしない

 

ブラウスのエリも、汚れて黒くなっています

 

 

 

 

そんな様子なので、

男子には敬遠されていましたが

彼女は、はじめ

あまり気にしていませんでした

 

 

私は、Hさんが保健室に来るたびに

爪をその場で切らせたり、

切ってあげることもありました

 

 

手の洗い方や、髪のとかし方

スカートのすそのまつり縫いを教えました

 


スカートのまつり縫いは難しいので

保健室でしてあげることもありましたが

なにごとも、自分からすすんでしようとは

思わないようでした

 

 

 

また、Hさんは、

給食で食べられないものがありました

 

 

レモンを使った食べ物全般です

レモン焼きとか、レモンゼリーとかは

匂いがダメで、頭が痛くなるので

レモンの日は、別室で給食を食べていました

 

 

 

Hさんはいつも、おしゃべりが止まらず

騒音のもとになっていることが多いのですが

そのわりに、教室の騒がしい音も苦手で

ときどき隣の空き教室に避難することもありました

 

 

 

 

ここまで書くと、知識のある方は

うすうすお分かりかと思いますが

Hさんは、発達障がいが強く疑われました

 

 

ただ、お母さんが検査をさせていなかったので

教員がそう思っていただけで

診断が出たわけではありませんでした

 

 

診断が出ていないので

教員側も、対応に苦慮する場面がありました

 

 

たとえば「教室がうるさい」と

急に出て行ってしまうのを

どんなふうに対応したらよいか

 

 

彼女のだらしない服装や不潔な様子に

不快感を訴える生徒に

どう対応するのが正解なのか…

 

 

 

 

 

彼女は、体調不良を訴えて

保健室に来ることもしょっちゅうでした

でも、ほとんどは教室を抜けだすための「仮病」

または保健室に来れば治ってしまう「病気」でした

 

 

あるときは、Hさんがおなかを押さえて

倒れこむように保健室にやってきたので

 

 

私は「またまたあ、大げさだなぁ」

と言って、あまり取り合わないでいたのですが

あまりに「いたい、いたい」というので

 

 

お母さんに迎えをお願いして

早退させたことがありました

 

 

すると、その足で病院に行き、

虫垂炎で手術することになったと連絡があり

担任と青くなったことがあります

 

 

さすがにその時には、

Hさんに申し訳なかったのですが

幸い手術も無事に済んで退院しました

 

 

 

 

万事そんな調子で、

発達障がいが強く疑われるHさんは

もともと天真爛漫で、明るい子でしたが

中学校での、周りからのプレッシャー

小学校より制限の強い生活に

彼女の良さがだんだん

失われていくような気がしていました

 

 


発達凸凹で、生きづらさがある子は

いわゆる「変わり者」と思われて

大きくなるにしたがって

自己肯定感を下げてしまうことが多いですね

 

 

インクルーシブ教育

(障がいの有無にかかわらず、

すべての子どもが共に学ぶ教育の仕組み)

が言われ始めて、10年ほど経つでしょうか

 

 

末端の教育現場に根付くのは

個々の事例を考えると、とても難しいし

まだまだ時間がかかりそうです。

 

 

でも、発達障がいやそのほかの障がいの有無で

教育を受ける権利を奪われてしまうのは

もったいないし、

 

 

二次障がいによって

本人が傷ついたり、

自己肯定感を下げてしまうことのないように

 

 

子どもを守っていくのが

大人の役割だと思っています

 

 

 

ちなみに、私の孫5歳は

今アメリカに住んでいるのですが

 

 

昨年の冬に、日本に来た時に

検査をしてASD(自閉スペクトラム症)

の診断を受けました

 

 

彼のパパもそうなので、

たぶんそうだろうなと思っていました

 

 

彼のお話はまた今度・・・

 

 

 

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