以前からトレール量の話はこのブログで幾度となく話してきました。
なかなか普通に車両に乗っている中で気が付かないというか極端にトレール量の少ない車体に乗らないとわからない話だと思います。
モタードはベースがオフ車なので17インチ化で壁にブチ当たればわかりますが
モタードの走らせ方そのものがコーナリングスピードを重視せず、クルッと回してドカッと立ち上げるものなので
ロードレーサーのソレとは違うんですよね。
まぁ知ったところで市販されているバイクは当然そのことを考えて作られているので
なんの役にも立たないんです。
ただ、こういう資料を見るに凄く気になって見る自分は相当なマニアックな領域にいるんだなと笑ってしまいます。
これケビン・シュワンツの93年RGV500Γの車体データなんです。
僕の目は速攻トレール量とキャスター角に
やはりトレールは94㎜を平均として最大96㎜まで調整されている。
キャスターは23.2°あたりで誤差の範囲での差しかない。
シーズンを通してトレール量を巧みに調整している様は、恐らくコースに対してとライダーの要求に対して行われていることをうかがわせます。
87㎜と少ない。
これはリヤ乗りと呼ばれる方法を余儀なくされた原因の1つであると考えています。
94年頃には全く歯が立たなくなったライバルTZR250R(3XV)では90㎜
RGV250Γ(VJ22A)では94㎜
ちなみに昔乗ってたCBR250RR(MC22)は
89㎜
ツーリングマシンとして乗らせてもらってる
VFR400R(NC30)は96㎜
TW200は96㎜(僕のTWは80㎜無いかも)
現代のマシンで90㎜を下回るトレール量はスーパースポーツの中では無いと言っても過言ではないかと。
※全て調べてられないので勝手に言い切ってます(笑
このトレール量の1㎜は突き出しでちょっとやそっとでは変わらないんですよね。
突き出しで変わるものは極僅かということ。
トレール量が5㎜変化すればコーナリングは劇的に変わる。
でもトレール量を変えようと思ったらステムオフセットを変えるかアクスルをオフセットするか。
後者はオフ車によく見られる方法です。
体格や乗り方は人それぞれで、結局は車体に人間が合わせていくことになりますが
車体側の調整としてサスセッティング以上に重要なポイントであることは知っておいて損はないと思います。