市電28番の車窓から*10/4
今日はとことん市電を乗り倒す、と決めて
混雑した市電28番を見送り、その次にやってきたそれに乗る。
市電28番は観光客向けでリスボン名物となっているため、人気が高く混雑していることが多いが
よく観察していると、混雑しているものとガラガラのものが交互であることが多い。
そう、車と一緒に狭い道路を走るこの路線は渋滞に巻き込まれやすく、等間隔では路面電車はやってこない。
間隔が詰まってしまうことが多いため、日本の通勤ラッシュのように混雑した電車がやってきた場合には
一本見送ることをオススメする。
試しに挑戦してみたら、見事にガラガラの電車がやってきた。
バイシャ地区から市電28番に。
さあこれからまた、小さな冒険がはじまる。
レトロな車内。
タイムスリップの瞬間。
人通りも交通量も多い、コンセイサオン通りの駅。
驚くほど沢山の観光客が乗ってきた。
コンセイサオン通りを抜けると、いよいよリスボンのシンボルでもあるカテドラルへ。
目の前に、この迫力ある立派な姿が突如現れ、そして大きく湾曲した道を風を切りながら右に走りぬける様は
本当に気持ちよい。
市電28番の窓に入り込んでくる風、通り抜ける風、窓いっぱいに、いやはみ出るほどのカテドラル、
カテドラルの前を走る市電28番の写真は、リスボンの象徴として、よく色々な観光雑誌で見かけるのだけれど
さすがに自分が市電に乗っているだけあって、その写真をおさめることは出来なかった。
それはまた後ほど。
さて、電車が速度を急速に落としたので、なんだろうと思い窓から身を乗り出してみると、
と思ったけれど、
数センチの隙間でなんとか通り抜けることが出来た。
さすが地元民。
市電の幅をよくわかっている。
邪魔にならないように駐車できる腕前はたいしたものだ。
カテドラルを抜けると、ポルタス・ド・ソル広場へ。
何もない広場、でも何かがある広場。
そう、ここは眼下にアルファマの街並みを望むことのできる高台。
そして街並みの向こうには、雄大なテージョ川。
こんなに晴れた日には、本当に気持ちのよい場所。
ゆっくりと通り抜ける市電の車内から、この心地よい風と、眺めを楽しむ。
市電を撮る観光客。
そんな観光客を撮る私。
お互いのカメラにお互いが写る。
遠い国から来た者同士の、もう二度と合わない者同士の写真の中に、
お互いが写っている。
そう考えると、旅は人との出会いだと、普段出会えない人たちに会いに行くためのものなのだと、
空は青くて、澄んでいて、とっても高くて、日本は遠くて、
今この場所で、こうして旅をしていることをとてつもなく感謝する。
風を切りながら、市電28番はすすむ。










