バイシャ地区のレストラン*10/3
わたしたちが向かったのはバイシャ地区のレストランが並ぶ賑やかな通り。
両サイドに並ぶレストランからは店員が出てきていて、客の取り合いをするかのようにお店の宣伝をしていた。
移動の疲れと空腹感から、ガイドブックを丁寧に調べる気力もなくなっていたわたしたちは
静かそうなお店を適当に選びふらりと入ってみた。
『UNIDOS DO MINHO』
向かいのお店が一生懸命客引きをしているのと比較すると
あまりやる気を感じない客引き具合。
お店の中はわたしたち以外に1組しかいなかった。
もうなんでもいい!とにかく何か食べよう!
とメニューを見る。
そういえば、ナザレでカタプラーニャ(野菜と魚介類をトマトベースで煮込んだ料理)を食べ損ねたわたしたち。
すかさずカタプラーニャを注文。
鉄鍋で密閉して、野菜や魚介からのエキスがたっぷりでたスープ、
どっしりの量には本当にいつもびっくりさせられる。
ここのお店は塩分量が多いようで、ワインがゴクゴクすすんだ。
もはやジュースのように飲んでしまう。
もちろん頼んだのはヴィーニョ・ヴェルデの赤。
すっかりはまったヴィーニョ・ヴェルデ、入っているか入っていないかぐらいの微炭酸は
決してお腹を一杯にさせることはなく、乾いた喉への喉ごしが最高なのだ。
もちろんいつものごとく最初に出される前菜。
手をつけなければお代は払わなくていいのだが、出されてしまうと必ず手をつけてしまう。
スーパーで売っていそうなB級グルメ的な鰯のパテは、いつもながらにパンに合う。
煮込み料理が出てくるまでの間に、前菜のみでワインをごくごく。
この日1番食べたかったのはタコのリゾット。
ポルトガルといえばタコも有名。
ポルトガル人は日本人同様にタコをよく食べるのだ。
ポルトガルの魚料理は本当に日本人の舌によく合うと思う。
第2の故郷のような錯覚さえ起こしそうだ。
こちらのリゾットもかなりの塩味が効いていて、ワインなしだと少しきつそうだった。
塩味は強かったけれど、煮込まれたタコのダシは本当によい風味で
これは後で動けなくなるぞ、というぐらいに食べてしまった。
それにしてもポルトガルでよく見かけるこの鉄鍋。
大きさも、そしてトマト色の煮込み料理との色彩バランスも本当によい。
家庭料理で素朴な感じで、ポルトガルにはそういった料理が多くて
魚介の煮込み料理やスープが好きな人にはたまらないだろう。
本当に素朴なのだ、全てが。
どこか日本に通ずると思うのはそんなところなのだろうか。
テーブルの中央に置かれたヴィーニョ・ヴェルデの赤ボトル、
あまりの値段の安さに驚いてしまう。
どのお店でも、基本的にヴィーニョ・ヴェルデはとてもお手頃な価格で置かれている。
このお店は本当に暇そうで、
途中で一組お客さんが出て行ってしまったあとは、私たちの貸切状態となってしまった。
店員もこちらが呼ばない限りは奥のほうに消えてしまって
外の賑やかな通りの様子とはうってかわって、店の中はわたしたちの食べる音とお喋りの声のみが響き渡る。
おかげで少し、旅の疲れがとれたように思う。
バイシャ通りの小さなレストラン
白いビニールの屋根が目印。
ごちそうさまでした。
ポルトガルの食事でいつも思い出すのは
オレンジ色の、いかにも食欲をそそりそうな魚介たっぷりの煮込み料理たち。
ポルトガルは魚介の煮込み料理の聖地のような場所ではないかと思う。
何年も経った今でも、脳裏に甦るオレンジの鍋料理たち。
このあと生まれつきの食いしん坊による食べすぎがたたり、
真夜中に謎の腹痛で苦しめられることになろうとはつゆ知らず(←わたしだけ…)、
重いお腹をひきずって、会計を済ませたわたしたち、
散歩がてらにとホテルに戻る前にふらりとスーパーマーケットへ寄って見ることにして
ゆっくりゆっくり、夜のリスボンの石畳を踏みしめ歩きだすのだった。



