コーチ、指導者と言っても経験値や競技歴、指導を勉強する環境、戦うグレードと様々です。一色単に良いコーチとか悪いコーチとか言うのも乱暴ですし、特に日本では起こりがちな資格やライセンスのヒエラルキーで、良いコーチとか悪いコーチとか階級や派閥で決めたがりですね。
4つのコーチの種類を紹介と説明をしていきたいと思います。
4つの種類とは以下です。
ソース source
リソース Resource
デリバリー Delivery
オペレーション Operation
では、一つづつ説明していきます。
[ ソース ]とは、アイデアや情報やプログラムの“元" ''源"となる役割です。発明家や開発者はここに入ってきます。実際に新しいプログラムや戦術発案を出来るような経験値の高い指導者になるので、現場にはあまり多くはいませんし、ソースを見つけたら離さない方が良いでしょう。
[ リソース ]とは、このアイデアやプログラムをその時のトレンドに合わせて貯め込む役割です。例えば、ソースが書籍であれば、リソースは図書館や本屋さんのようなイメージです。日本に来ている外国人コーチたちの多くはこの分類です。
[ デリバリー ] とは、マニュアルやスキームを教えたり説明したりして拡散して行く役割です。研修屋さんやセミナー屋さんのイメージです。研修会でのエデュケーターやファシリテーターはこの分類の方々が大半です。
[ オペレーション ] とは、実際にチームや選手たちへの落とし込みをする役割です。プランやドリルを作成してメソドロジーを持って実施することで、絵に描いた餅からアイデアや情報の具現化ということになって行きます。ヘッドコーチ、ユニットコーチ、スキルコーチたちもここに入ってきます。
さあ、あなたはどこの部類に入るでしょう?
また、あなたの周りの指導者は誰でしょう?
強いチーム作りをしていく上で、戦術的ピリオダイゼーションやウイニングカルチャーの考え方での大事な戦略発想に、
【 ゲームモデル 】
があります。
またゲームモデルを作るための【戦略=ストラテジー】や【方針=ポリシー】が重要になって来ます。
ゲームアウェアネスプログラムでは状況判断のアルゴリズムを持っています
スポーツインテリジェンス分野の確立を目指して開発されたゲームアウェアネスプログラムでは、勝つための原理原則や戦略戦術マップ、マインドセットマップ等、オリジナルでプログラム構築をして来ました。
私の場合は、このスポーツインテリジェンス分野での発明・開発者としては、ソースの役割。
アナリストやスポーツ大使としてのバックグランドも持つので、国内外でのラグビーだけではないスポーツに帯同したり調査視察をしたりすることで、最前線でのアイデアや情報を得る活動をしているのは、リソースの役割。
講演会や研修やイベントセミナーで、ワークショップやアイデアシェアをする講師やファシリテーターの時は、デリバリーの役割。
実際に複数のチームでバックルームコーチ、タクティカルコーチ、マイクロスキルコーチをする時は、オペレーションの役割。
チームでは、現場を指揮する上でチームのトップに立つのは総監督、監督、ヘッドコーチと呼ばれる人たちです。
ですが、この役割の方々が、この4つの分類のどれの適性を強く持つかで、チームがダイナミックにもなるし、そのトップの人たちがボトルネックになったりもします。
指導者がアイデアも突出している事なく、毎日の過ごし方のやり方だけ知っている人がいます。このようなオペレーションコーチがトップの場合は、このオペレーションコーチの同等か上位にリソースコーチやソースコーチがいると良いです。
デリバリーコーチは基本的に持っているアイデアレベルや情報レベルがオペレーションコーチなので、少し物足りないと思います。またデリバリーコーチは、現場での叩き上げというよりはマニュアルやフレームワーク型の指導になるので、パフォーマンスレベルやタイトル奪取のようなチャンピオンシップチームにとってはマイナスになることの方が実際は大きいと思います。
イングリッシュプレミアシップのサラセンズのコーチと一緒に、サラセンズのホームスタジアムでコーチングする機会がありました。
中には、ハイパフォーマンスレベルであろうがディベロップメントレベルであろうが、ポジションとその人の適性がミスマッチになることも多いです。
例えば、チームの現場のトップにはいて選手のセレクションや方針には大きく関与したいですが、実際にはトレーニングプランのアイデアも持たずに、他のコーチの秘書業務のような役割でいるところも多々あります。これはヨーロッパフットボールで見られるチームマネージャーやディレクター・オブ・ラグビーのようなポジションと、日本式のGM・監督・コーチングコーディネーターが混同された意味合いになっていると思います。どちらかと言うとそういう混同された方は、オペレーションマネージャーやアドミニストレーションやセクレタリーと呼んだ方が良いでしょう。
ヨーロッパフットボールでは、GMやディレクター・オブ・ラグビーの役職の方々は、明らかにソース=Sourceの方々で、非常に突出したオリジナルで斬新で強いです。ソースからリソース(*通常アシスタントコーチンググループを持っている)とオペレーションまでやってしまうので、業務範疇は非常に広いです。
また、ここも非常に重要な点なんですが、監督・ヘッドコーチのポジションに就いている人でも、実際にはスキルコーチレベルだったり、ユニットアドバイザーくらいだったりする事も多く、全体を俯瞰したチーム作りや、段階的な強化や戦術的ピリオダイゼーションのようなピークパフォーマンスでプログラムを組めなかったりします。
このような視点で自分自身のコーチングを考えてみたり、他のチームのコーチンググループを観察してみるのも違った発見が出てくると思いますのでやってみてください!
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