季節の変わり目なかなか、色んな動きがあって皆さんよろしいと思います。
僕も色々なプロジェクトが進んでいるので、モチベーションのレベルアップでどんどん能力を発揮しようと思います。
乃村工藝社さんの協力社会100社の中間管理職の方々への企業講演会より。
先日、高校教員の方なんですが若手レフリーへのフィードバックレポートの中でこんなコメントが。
「ポジショニングの意識を無意識化するところまで持っていきたい。」
このフィードバックをもらった若手レフリーは、じゃあ一体これが何を意味するのか、じゃあそうなる為に何をしたら良いのか、僕に尋ねてきました。
僕のリアクションは、あ、マジックワード出たな。と。。
どこかの研修でも受けて来たのでしょうか、それとも、誰かが個人アイデアで言っておられたのを聞いたり読んだりしたのでしょうか。
”無意識化”
良くあります。
刷り込みのような、魔法のような、催眠術のような、マジックワードな理論。
きちんと分けて考えないと大変なことになると思います。
僕がオーストラリアでラグビープレーヤーをしていた1990年代後半。
ラグビーにフェーズプレーと言う概念が生まれ、プレーを継続し続けるというものが生まれました。
また、決め事の”シーケンス”という各ポジションがフェーズごとにどう動いていくかがすごく細かく決まって行きました。実際には、僕のクラブでは4次攻撃や5次攻撃まで細かくサインムーブが決まっていて、その当時、その継続アタッキングラグビーでスーパーラグビーで優勝したのは、エディさんが率いるブランビーズでした。
僕の出身の宮崎少年ラグビースクール中学の部は、全国6位に。またコーチしに行きますね。
しかしながら、そのラグビーも2011年頃からもう2次攻撃くらいまでしか決め事は無くなってきました。これは世界中のどこの国でもです。
なぜなら、「選手のロボット化」につながってしまったからです。
2007年ラグビーワールドカップ・フランス大会、2011年ラグビーワールドカップ・ニュージーランド大会と、それまでの世界の流れは、選手の巨大化、スピードアップ化、ポジションに関わらず能力の均一化、が主の流れでした。良質の巨大な壊れないロボットを揃えたら勝ちなゲームをしていたと言うことです。
その流れの後に、選手自らが判断する能力、リーダーが局面を打開しマネジメントする能力にトップチームは取り組み始めました。
ロボット化を推奨する間に、多くのドリルが生み出されました。
もちろんそのドリルの大半は「アナリティカルトレーニング」と呼んでいて、各プレーを細かく動作に分けてやる反復ドリルです。この動作を出来るためのドリルは無意識化をするためのドリルです。
試合でそのドリルの動作をゲームで何回やるか分からないのに、やれニュージーランドでやっていた、やれオーストラリアでやっていた、とコピペして来て流行っていくわけです。もちろん、これは今でも伝統的に全国に蔓延しています。
3WAYエデュケーションでは、ビデオセッションでも考えてもらう。
エディさんが、コーチミーティングでアシスタントコーチに口すっぱく言ってました。
「ドリルの目的は?」
「ドリルの強度は?」
「ドリルのプレーがゲームで何回?」
考えられない選手を育成すると、それは選手を不幸にしてしまいます。
レフリーも同じことです。
ましてや、ポジショニングは、プレーを認知する上で非常に重要であり、見たい事を予測してそのポジショニングを探して行き、見たものを判断して判定に変えなければいけません。
脳で思った通りにスムースに身体が動作することの”無意識化”。
判断につなげていかないと行けない意識、予測、記憶力を使って行かないといけないポジショニング動作。
今年もスコットランドのセントアンドリューズゴルフアカデミーの選手とコーチが来てくれました。また色々とアイデアを提供させてもらいました。
例えば、僕が選手のマイクロスキルを指導する時には、脳をフルに使うことを促して、プレーの動作中でもプレーオプションがしっかりと使えるようにコーチングしています。
一人一人判断が効いたプレーをした時には、美しいプレーや美しいリンケージが生まれています。
「ロボット選手製造選手権大会」に出場して優勝するのならそれで良いと思いますが、一つ一つのプレーにこだわりや個性が感じられて、ビンビンアンテナが立ってプレーしている事がボディランゲージに感じられる選手を育てて行きましょう。
マジックワードが蔓延する限り、道のりは長く、勇気を出してアクション出来る賛同者や仲間を増やして行くことに邁進して行きましょう。
T🐘