オフサイド見逃されて敵チームにゴールされたら猛烈な炎上です。

オフサイド見逃されて味方チームがゴールしたら大喜びです。

 

そんなシーンをサッカー代表戦でつい最近見ました。

 

と、サッカー日本代表対オーストラリア代表を見ていると、記憶のどっかに頭に残っているからか、オフサイドもペナルティで倒したのも見逃して!?みたいな見方になってしまう人もいてちょっと興味深い感じでした。

 

 

リーグ戦100試合お祝い有難うございました!!

 

 

 

難しいフットボールのオフサイドルール。

サッカーとラグビーとでは少々見方が難しいです。

明らかな場合は別として、見方が難しいのは、

 

サッカーの場合は、飛び出した選手とパスを出した選手のボールを蹴った瞬間のタイミング。

 

ラグビーの場合は、オフサイドの位置からプレーに影響したか否か、オンサイドに戻る要件を満たしたか否か。

 

この違い、多分、それぞれの試合をちょっとした上級レベルでプレーしたことない方には未知の世界くらい分かりにくいです。文章にしたら、ほんとにちんぷんかんぷんかも知れません。エキスパートレベルでも相当トレーニングを積まなければパーフェクトジャッジは不可能です。

 

 

 

神戸製鋼、リコーの皆さん熱狂的ジャージコレクターの僕のために事前準備頂いたなんて感謝感激です!!

 

 

 

なんで分かりにくいの??

ラグビーのルールは1つじゃないの??

 

と言う質問を受けます。

もちろんラグビーのルールは1つです。競技規則はワールドラグビーが発行した一つしかありません。現在は、です。

 

元々、ラグビーのルールは1つではありません。

1800年代の話です。

 

 

 

では、オフサイドって、どういうことだと思います???

 

オフサイドは、英国の軍隊の表現にあります。

「持ち場を離れること」です。

 

Off the strength of his side.

 

自分の持ち場を離れると戦力にならない、戦えない、と言うことです。

オフサイドの位置になるプレーヤーは戦力と考えてはダメだということです。

 

この”持ち場を離れる”ことの発想から1800年代当初は様々なオフサイドルールがありました。

これは、フットボール起源の知識としてはラグビー・サッカーに関わらず、自分はエキスパートだ!自分は理解してるんだ!と豪語している方々は、必ず知っていて欲しいところです(笑)

 

 

 

この記念試合に合わせてアシックスからスペシャルブーツが届きました。

 

 

1800年初期時代は、サッカー・ラグビーの前身となるフットボールをやるそれぞれのパブリックスクールに特別ルールがありました。

主な有力パブリックスクールは、ウィンチェスター、ラグビースクール、チェルトナムカレッジ、ハロー、イートンカレッジでした。

その後、1848年にケンブリッジ大学がルールを制定しますが、この時の資料が残っておらず、1856年バージョンのケンブリッジ大学のフットボール統一ルールが種ルーズベリー校の図書館から見つかり、たくさんあったルールが一つにまとめられたことが分かりました。

 

ケンブリッジ大学がどうしてルールを1つにまとめたかは、理由があります。

それぞれのルールでプレーをしていたパブリックスクール上がりの選手たちがケンブリッジ大学に進学して来て、ルール自体が違うことが障害になったため、統一する必要があったためです。

 

 

試合が終わると東京にとんぼ返りして帝国ホテルでの経済界会合に参加。

左からアマダナ社長のクマちゃん、T🐘、浦和レッズコーチの長峰さん、プロバレーダンサーの西島さん

 

 

1855年のシェフィールドルールくらいからサッカーが具体的にルール化されて行き、その十年後にゴールキーパーのポジションが出来たところあたりから、完全にフットボールからサッカーとラグビーの違う競技に分断が完了しました。

 

サッカーの方は、パスをする前に、ゴールキーパーを含めて敵が3名いなければオフサイドの反則になるとか、2名いなければオフサイドの反則になるとか、だんだんと進化して行って、現在は、ゴールキーパーを除く全てのディフェンダーの裏に出てパスを受けてはいけなくなっています。ルール解釈の部分で、逆サイドにいる選手については、まだまだこれからも解釈が変わって行きそうな予感はします。

 

ラグビーの場合は、もっと純粋に”待ち伏せ行為”を禁止しており、基本的にボールを中心にオフサイドラインが敷かれ、その他、セットプレーやブレイクダウンについては、それぞれの局面でオフサイドラインのルールがあります。

オフサイドの選手がオンサイドに戻る条件のややこしいルールについては、1862年のアッピンガムスクールが作ったルールがスタートに、今も同じようなコンセプトで守られています。

 

 

おめでとう言ってくれた有森さんの本の宣伝w

 

 

 

1863年にフットボールアソシエーション(FA)が設立された頃から、複雑だったフットボールルールはシンプルにされて行きサッカーとなり、ラグビーのルールの方は、より複雑になって行きました。

ラグビーは、フットボールの起源でもある対抗戦の精神を今でも色濃く守り、対抗するチームがそれぞれに独自のルール解釈やルール制定をチャレンジし合い、そしてその複雑なルールを元に攻略した戦術を開発し続ける独特の文化を継承しています。

 

フットボールのオリジナルルールのオフサイドを紐解き解説しましたが、ルールの背景からラグビーのルールが多い事が理解出来ますし、そのルールが多いことこそが魅力であってフットボールの本来のアイデンティティであることを理解することが出来ます。

 

でも、難しいものは難しいですよー笑

だから、日々勉強です!

 

T🐘