ご利用は計画的に。

 

よく聞ききます。よく聞きます。

コマーシャルしてるからですね。

 

ラグビーではハイパフォーマンスレベルになると毎試合ゲームプランを立てます。

僕は、2006年からレフリーを担当するゲームではゲームプランを立てています。

インターナショナルレベルでは、当時はビデオレビューが普及しはじめた時でした。

 

2003年ラグビーW杯のオーストラリア大会で、シドニーにあるマッチオフィシャルのホテルに宿泊した時に、ニュージーランドレフリーのポール・ホニスさんが、試合翌日にホテルから小さいテレビ(当時はフラットなテレビじゃなくて四角い箱型のテレビ)とVHSのデッキを借りてきて、部屋に持ち込んでいました。それでも当時はそれは画期的で新しいことでした。個人レベルで映像を見ながら試合の振り返りを試合翌日に出来るということ自体がすごいことでした。

僕は、2006年の国際大会の時には、スカウティングした内容とゲームのチェクリストを紙に起こしてレフリールームに貼って試合に臨んでました。

 

 

僕がアジアパネルレフリーへコーチングセッションを行った際に引用したベンジャミン・フランクリンの言葉。

 

 

 

ワールドラグビーでは、ゲームプランシートを2008年ころから義務化しました。

 

テクニカル

マネジメント

メンタル

 

の部分を中心にプランを立てて、そのプランに対してレフリー個人のセルフレビューとパフォーマンスレビュアーからのレビューを記載するようなゲームパフォーマンスレビューシートが始まりました。

 

ゲームプランと言ってもレフリーの場合は、ゲームでああしようこうしよう、ゲームをこういう風な流れに持って行こう、とかいわゆるゲームを作るようなプランの立て方はしません。チームの場合は、相手の弱みを消し、自分たちの強みを出しながらゲームコントロールをしていくプランなので、ゲームを支配していくプランを立てます。

 

 

今シーズンの表紙はこんな感じ。

 

 

 

ゲームプランの効果的なところは、

 

現代ゲームの傾向

運用面での留意点

当日のマッチオフィシャルの役割分担

試合中にフォーカスする部分

自分自身の強化部分

 

を整理して試合に臨むことが出来、レフリーとして経験の違う他のマッチオフィシャルとの連携を図って意思統一をすることです。

あるとないとでは結果が大きく異なります。

 

ただし、自分自身のプランにも少し排他的な考え方もあって、試合が仮に自分のイメージするような展開とは全く異なった場合や、チームがトリッキーだったり難しい状況を意図的に作り出すような戦術を持ってきた時には、勇気を出してプランを捨てます。

効かないプランをゴリ押しして、よりチームも自分自身もパニックになることを避けるためです。

 

 

例えば、今日の試合は両キャプテンとコミュニケーションを取ろうと目標を持ったとします。しかし、キャプテンが危険なプレーを犯しカードの対象となったとします。そうすると、試合前は「キャプテンと協力して良い試合を一緒に作ろう」と高い理想を掲げていても、そのキャプテンがいなくなったらどうしようもありません。

そういう時はプランを捨てて、そのチームの中で比較的話やすい選手を見つけます。キャプテンがワンマンショーで強烈なチームのアイコンであれば、一人じゃなく何人かの選手に対して話をしていかないとまとまらないかもしれません。

こういう状況になった場合、コモンセンスやバランスがキーになります。一方のチームはキャプテン1人だけとコミュニケーションをとるのに、もう一方のキャプテン不在のチームには何人もとコミュニケーションをとっている。アンバランスだったり不公平が生じてしまうので、そこはコモンセンスを使って、両チームにとって最小限度にコミュニケーションを留めるとか、できるだけ同じ回数や同じようなプレーについてのコミュニーケーションを取るように意識します。

 

 

アジアのパネルレフリーたちへコーチングセッション。

 

 

大事なことは、

 

しっかりプランを立てて準備をする。

 

勇気を出してプランをスクラップすることもある。

 

ことを認識しておくことですね。

 

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