シン・ゴジラ観ました?

 

話題には乗っておきます。

 

 

噛み合わせが悪い。

 

 

シン・ゴジラ。ストーリーが6割政府、3割軍事、1割ゴジラという無茶な割りふりのゴジラ映画。

それでも前回の待てども待てどもゴジラが出てこず、やっと1時間以上過ぎて出てきたゴジラは30秒も出てこないというもはやゴジラと名前をつけてはいけないゴジラ映画とはだいぶ異なり、なかなか良い。

エヴァンゲリオンのような哲学や宗教を引用しておけばみんな引き込まれるだろー的な、少し知識の無い人達に対してカルトっぽいアプローチをするアニメとのコラボが、エヴァンゲリオンを読まない自分に対しては苦痛になります。

 

 

逃げろ、バランス取って。

 

 

ということで、有識者による民間人の情報部隊が大活躍する、という設定で進んでいく話なんですが、現代スポーツ界の中で情報を扱い戦うことをやっている自分にとっては、なかなか興味深かったです。

 

現在ラグビーではもはや大学の下部リーグチームにも1人はいるくらい当たり前となったテクニカルスタッフと言われる役割やテクニカルコーチと言う役割があります。

他のスポーツでもハイパフォーマンスチームには浸透しつつある役割です。

また、情報を扱う役割にアナリストという役割もあります。

 

 

家にあったら邪魔、だけど、欲しいです。

 

 

日本のラグビー界で情報分析が一気に進んだのは平尾ジャパンの頃で1990年代後半の話です。当時の情報と言えば、パフォーマンスを示すスタッツと映像資料のことでした。学生さんにスタッツの数え方を教えて手作業で数かぞえをして、試合の映像を使ってデッカいテレビの編集用の編集機で映像クリップにカットして、VHSカセットにダビングして映像資料として戦術説明に使うというのが最先端でした。

 

僕が2003年から日本IBMのテクニカルスタッフになってからは、そのスピードも加速して、全トレーニングの映像を記録として残すことが始まり、当時は1試合2万円くらいしていた海外試合の映像も容易にライブラリー化をし、試合や練習試合の試合映像も試合終了後の1時間後にはコーチ・選手全員にDVD配布出来るようにしたり、試合のスタッツについても、パフォーマンスが時系列でエラーとゲームの様相がリンクし、エリアとボールの軌道がビジュアルで分かるように少し可視化するプログラムを作りました。

 

その後は、膨大なスタッツを強化の段階に合わせてソートして使うようになり、また局面局面に特化したベンチマークとの比較をするようになってきました。

 

 

 

この情報を扱うテクニカル分野ですが、多くの人たちがまだまだ誤認をしている部分があります。

 

1、スタッツ=定量分析をする

2、コーディング=市販の分析ソフトに打ち込み作業をする

3、映像を撮る

4、映像をカットしてミーティング資料を作る

5、分析をしてスカウティング=相手の偵察をする

6、分析をして戦術を作る

 

ことがテクニカルもしくはアナリストの仕事のおおまかなものです。

1〜4までの作業は、ベーシックな役割で、これはどちらかと言うと技術屋さんのテクニシャンという役割の話です。

ハイパフォーマンスのチームにおいては5、6のアナリストの作業がクオリティ高くないとあまり役に立ちません。

 

 

埼玉県・与野にある謎の八百屋。見つけた時ビビりました。

 

 

と、ゴジラの話に戻りますが、有識者会議からなる作戦部隊。

ほとんどいわゆるオタクな人たちにフォーカスを集めたようです。

ここが僕のツッコミどころなんですが、このオタクの人たちはそもそもどこから情報を得てるんでしょうか、、、。僕の予想は、「インターネットや本をたくさん読んだ人」の集団。。のように思います。。

誰もオリジナルな情報を作り出した人たちいなさそうです。。

 

情報を扱う人たちには2タイプいます。

 

情報を作る人たち。

 

情報を集めて並び変える人たち。

 

ゴジラの有識者会議の方々は、後者。。だと思います。

情報は、目で見て、耳で聞いて、足を動かして、集めるものです。これは昔も今も変わりません。今はどんどんスピードがあがりビッグデータがメガデータ化しています。

僕が去年まで関わっていた日本代表では、サポートスタッフとしてアナリストの一歩先を行ってタクティシャン(戦術家)のようなゲームマネジメントの提案をさせてもらっていました。エディ・ジョーンズ監督への4年間の総括フィードバックミーティングでは、情報処理についての総括の部分で、収集した全体情報の9割は無駄な情報で日本代表の強化段階と戦術・戦略には関係なく、1割の有効な情報をいかに抽出してもっとスピードアップして可視化して全体共有もしくはリーダー間のみでの共有をするかがキーだったと説明しました。

 

 

 

おー、極秘資料的な。

 

 

情報をオリジナルで作ることが出来る能力、国際人脈が強くヒューマンインテリジェンスの手法を使って戦術と照らし合わせられる分析能力、ゲームマネジメントに生きるように発想力豊かにプログラムを作れる能力。こういう能力がこれからのアナリストやタクティシャンに求められてくると思っています。

 

 

それでは今日も異次元で行きましょう。

 

T🐘