ちいさな窓から。夕焼けがこっちを見ていた。

 

「昔の小樽はすごかった。」

 

何度も耳にしてきた言葉。

当時含め、今までがあったから今があると感じている。

感謝も、勉強不足も、自分という机の上にはいっぱいだ。

 

(で、、自分はこれから小樽でどうするんだ。)

ずっと胸の中にブッ刺さったまま、数年がすぎてった。

 

自分はバンドでは東京に約20年住みながら

太陽族というバンドで活動したが

休止になり、なんだか背中丸めて地元に帰ってきた。

今でも悔しいし申し訳ない気持ちが、こびりついている。

 

そんな中、バンドの時と変わらず

地元に帰ってきてからも

震災や、台風被害があると、その町の名前から

すこしではあるが友達の顔が浮かび

できる事を微力ながら必死に動いてきた。

 

歌が好きな気持ちと

そんな友達の町に対しての気持ちは

いつも全く変わらなかった。

 

いつも変わらなかったのに

自分が住んでいる小樽で、何もできていない

小樽では、ひとりぼっちの自分が

数年間ぽつんと転がっていた。

 

本当に何にもできてなかったし

小樽にしばらく仲間もいなかった。

 

もしかしたら、作ろうともしてなかった気がする。

 

でも、すこしずつ

点と点がつながり

仲間と呼ばせてもらえる人ができてきた。

 

南小樽駅の風景を守ろうとする事や

小樽のライブハウスを守ろうという動きや

コロナの中でも、発信できる事をあきらめず

YOUTUBE映像を作ったり。

 

(ああ、自分の居場所が

小樽にすこしできたなあ、、幸せだな、、)

 

そんな時だった。

 

以前、インスタにも書かせていただいたので

重ね重ねになりますが、すこしだけ書かせてください。

 

ある日、子供たちが寝てから

起こさぬようにそーっと、家の脱衣所で

自分の中で、とっても大切な存在である

奈良美智さんのラジオを聴いていた。

そのラジオを聴いていて、驚いた瞬間があった。

 

「、、はなお?花男、今聴いてるかわからないけれど

今度小樽にいくから、会えたら会おう。

まだ会った事ないけれど、今度こそ会おうよ」

 

そんな感じの声が聴こえてきた。

そこで流れていたのは、自分のバンドの曲だった。

 

自分は飲みすぎて夢を見てるのだろうと想っていたが

どうやら夢じゃない。流れる曲が次の曲に変わっていった時

涙がポロポロと流れ、止まらなくなった。

 

小樽にきてくれたのが、春に札幌と小樽で開催された

奈良美智さんの北海道写真展。

『Though no one may notice, the world knows all that you have seen.』

その会場の下見で、小樽にこられるとの事だった。

 

小樽。

 

町を見るとシャッターは増え

付くはずの灯りも以前よりすくなく見えた。

でも、仲間たちができ始めてきて

自分のできる限りしかできないが

あきらめずに新しい灯りをともしたい、、と

未熟なポンコツながら

アホみたいにそんな事を考えている時だった。

 

色んな縁が背中を押してくれて

気がつけば自分は

小樽の「かたの」というあんかけ焼きそば屋さんにいた。

 

となりに奈良美智さんが座っていた。

もう、人生の運のようなものが全て集約されて

この日をすごしてるんだなあ、、と想った。

 

「どうして小樽に引っ越してきたの?」

 

と聴かれ。

 

「、、奥さんの出身が小樽で、、あ、あと小樽が好きで、、」

 

と答えている中に、なんだか胸の中が熱くなってきて

 

「、、町にシャッターが増えて、小樽を支えた歴史ある建物が壊され、どんどん小樽じゃなくなる気がして、、でもその中に、どうしても好きな商店街があって、その場所だけは本当にずっと変わらずでいてほしくて、、奈良さん、後でその場所に一緒にいきたいんです」

 

そんな事を気がつけば話していて。

奈良さんは、とっても優しくて

 

「うん、いいよ、後でいこうね」

 

のような感触で答えてくださって

(もう、頭いっぱいで言葉使いまでは覚えていない)

 

その後の車の中でも

自分は小樽で何もできてない事。

いつか子供たちが楽しめるような、大人も楽しめるような

ちいさなお祭りがやりたい事。

なんだか、心の奥にひとりでため込んでいた気持ちを

いくつか聴いてもらった。

 

本当に恐れ多いし、今考えても

(もう、自分がいつ死んでも後悔ない様に言葉にできるだけ言葉にする!)

そんな覚悟のもと、話させていただいた。

 

もう、嫌われたかもしれないと想った。

失礼もあったかも知れない。

でも、、好きなんだ、奈良さんが。

初めて話しても

その気持ちは大きくなっていくばかりだった。

これを描いている今も、人生のエンドロールなのかな、、

と想うくらい

(おおげさじゃないのです)

夢だけど、夢じゃないって気持ちで

ボッカンボッカンしてる。

 

20年近く前から今まで。

ツアーにはお守りの様に奈良さんの本を持ち

奈良さんの言葉を心にひそめて歌い続けてきた。

太陽族メンバーも、みんなその姿を見てきたと想う。

 

気がつけば自分たちは、奈良さんに話をした

ちいさな商店街。

その場所「梁川通り」にいた。

 

小樽で出会えた仲間たちに

奈良さんは自然体で接してくださり

あの時間が、本当に1つの映画の始まりのように

スローモーションで覚えている。

 

2枚ほど写真を撮影していただいた。

 

自分にとって、、宝物の写真です。

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして、奈良さんが

(地域をあたためるようなイベントを

小樽のみんなとやろう)

と連絡をいただき、それからコロナとも戦いながら

縁がある仲間たちと打ち合わせを重ね(ほぼオンライン)

 

そして、今日の発表にたどりついたのです。

 

みんなの想いを、saru1さんという

小樽在住のアーティストが

1つの作品にしてくださった。

 

 

実はここまで、というか

この作品ができあがるまで

この夏のちいさなイベントは

奈良美智さんが中心にいた。

いや、今ももちろん心のど真ん中にいるのですが。

 

おれは今、奈良さんと同じくらいの大きな存在として

小樽の仲間たちがいます。

 

その1人がメインフライヤー描いてくれたsaru1さんであり

ロゴを作ってくださった高橋龍くんであり。

 

フライヤーを最終デザインしてくれて

そして、裏側で旗振って走ってくれてる

ジーンズショップLOKKIの平山さんであり。

楽しく支えてくれてるミキコさんだったり。

 

そもそもの流れを引き寄せてくれた様な

ミツウマオーセンティックの

竹田さんや佐々木さんだったり。

 

自分にウラオタルチンドン楽団をやれ!今!と

火をつけてくれた

クチル花店のリサさんだったり。

その妹さんで、奈良さんとも縁が深く

丁寧にあたたかくそばにいてくれる

ボッココーヒーさんだったり。

 

札幌から心強くそばにいてくれる

経験豊富なのに柔らかく接してくださる

なみなみさんや、キノマドさんだったり。

 

ウラオタルチンドン楽団で、誰よりも最初に

一緒に音をだしてくれると話してくれた

ネルタ&ベールだったり。

(ウラオタルチンドン楽団の事は

他にも、ムーくんだったり、、

また今度紹介させてください。

みんなとチンドン屋やる事にしました。

是非あなたも参加してください◎)

 

そして、アホなオレの事

笑いながらとなりにいてくれる家族だったり。

 

オレなんて、夢途中で背中丸めて

田舎町に帰ってきた

世の中の第一線から必要とされてないような

ポンコツのそばにいてくれるような、、

 

そう、そもそも友達も、仲間もほぼいなかった小樽に。

 

今は、すこしだけいるんです。

信じれる仲間が。

もし裏切られてもいいやって

それすらも笑えるなって想える仲間が。

 

そして、、奥さんにも感謝だ。

彼女がいなければ、おれはどこに住んでいたんだろう。

小樽にも、住んでいなかった様な気がする。

小樽の仲間や、麦と、いっちゃんにも出会えていなかった。

 

 

 

そして。

自分が今まで見させていただいた

各地のフェスやライブハウスの輝く仲間たちの背中。

その姿を、自分なりに小樽に混ぜていきたい。

まだ未熟な自分ですが、自分ができる事全部やりたい。

そして、、各地のみんなも小樽を想ってくれたり

会いにきてくれるなんて日がきたら、、いや、作る。

 

そして、そんなそばにいてくれるみんなの事を

「裏小樽NEO一座」と呼ぶ事に決めて

なんと、ポンコツな自分が「座長」として動き始めました。

(それは名前だけで

本当に周りのみんなが丁寧に動いてくださっています。)

 

そして奈良美智さんと、マネージャーの濱田智子さん。

あたたかくそばにいてくださっていて

本当にありがたいです。

 

話を戻すと、ずっと1番好きな美術家さんとして(今も)

人生を共に生きてきました。(勝手にですが)

 

なので、メール1つ送るにしても心震えるというか、、

リスペクトと愛情が、どうやっても収まらないんです。

奈良さん、濱田さん、本当にありがとうございます。

酔っ払ったアホなオレの姿や、熱苦しい話に

ため息ついているかも知れない。

嫌われているかも知れない。

でも隠してもバレるんだ

自分をさらけだして一緒にいたい。

もちろん、敬意と、丁寧な気持ちや愛情持ちながら。

 

それでも、ようやくすこし、通常の自分でいられるように

なってきた、、気が、、どうだろう。

やはりドキンドキン心が鳴ってしまいます。

 

 

そして、なんとかこの興奮や感動を

奈良さんの事を知らない方にも。

地元の子供たちにも。

小樽に初めてきてくれる方にも。

そして地元の方にも、NEO一座のみんなとも。

 

「思い切り表現するっておもしろいね!」

 

って、心のシャッターを開けたい。

 

町のシャッターもだけど

閉め切ってた心のシャッターも開けたい。

 

コロナ状況もしっかり気をつけながらですが

今年の夏に、自分たちときてくれたみんなと奈良さんと

恐縮ながら、奈良さんにおんぶに抱っこじゃなく

自分たちの力も信じ、町の助成金など無しで有志で

ちいさな通りで、商店街で、ちいさな花火をあげたい。

 

 

奈良さん、ありがとうございます。

この文章を読んでほしい様な、恥ずかしい様な。

不思議な気持ちですが、本当に感謝しています。

そして、まだまだこれからです。

地元のみんなと、植えてくれた種を育てていきます。

 

長くなりました。

 

夏にウラオタルバザートという

バザーとアートが合わさった

ちいさなイベントをやります。

 

どなたも気軽にお越しください。

奈良美智さんの展示も予定していますし

自分たちで「ウラオタルチンドン楽団」という

チンドン屋も路上で演奏します。

 

詳しい日程はまた後日お知らせいたします。

 

緊急事態宣言が発表された日に、告知解禁でした。

 

おいコロナ!狭苦しいニュースばかりには、してたまるか。

 

夏の楽しみ、作ってやるんだ。

遠足も、運動会も、お泊まり会も中止で

弁当は黙食してる我慢だらけの子供たちに

我慢しなくてもいい

大きな声で叫べる様な夏を作ってやる。

 

そして大人も心のシャッター開けて楽しもう。

 

是非みなさんも、楽しみにしていただけたらうれしいです。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。

ウラオタルバザートとは、何だ?どうやって生まれた?

を、現状伝えられる内容を書いてみました。

詳しい内容は、、6月後半頃またお知らせいたします!

 

今は、先行GOODS第一弾。

奈良美智さんがイラスト作品協力してくださり

後ろには小樽の高橋龍くんがロゴをデザインしてくれて

 

「LOVE FROM THE SEA Tshirt」

サイズ KIDS110〜大人XXLまで

カラー 白生地 黒生地

6/15までの期間限定受付で、販売中です。

是非こちらから、ご予約してくださいね。

(収支は全て

イベント運営資金にさせていただく事になりました)

 

 

 

 

第二弾は、自分もドネーション音源準備中です!

そちらもお楽しみにです。

 

 

 

 

 

 

それでは、読んでいただき本当にありがとうございました。

 

2021年の夏、ちいさな小樽の裏通りで

ウラオタルBAZA-ART。

すこしずつ作っていくので、みなさん是非お楽しみに◎

 

奈良美智さん、小樽や札幌のNEO一座のみんな

本当にありがとうです。忘れられない夏になる。

 

 

ちいさな窓から。夕焼けがこっちを見ていた。

 

「あの頃もよかった、でも今だっておもしろいじゃないか」

 

夕焼けは、朝焼けに向かって旅をするのでした。

 

 

花男

 

BGM GOING STEADY 「アホンダラ行進曲」

 

奈良さん、濱田さん、小樽と札幌のみなさん。

各地の仲間や、家族。本当にありがとうございます。