「来ちゃいなよ」

まだ暑さが残る昼下がりの事だった。

テレビでは甲子園から夏の延長戦がある事を告げてくれた。

空は晴れていた。

そんな時に突然の電話。

聖蹟桜ヶ丘の川原で肉焼いてるって話。

前から誘ってくれてたんだけど、

迷ってるうちに返事もせず、

今日が来てしまった。

申し訳なさが心の中にあった。

でもぶつくさ言ってる俺に、

「いいから来ちゃいなよ」

の一言になんだか笑ってしまって、

電話を切って、

玄関を開けた。

外に出た瞬間だった。

今日は楽しくなるよって心が言った。


到着して、

駅まで迎えに来てくれたいつもの顔。

川原で待っててくれた奴ら。

ありがとうね★

そして夕焼けが奇麗でさ。


来ちゃったよ


少しして、早めに帰る事にした。

でもなんだか少し寂しかった。

そしたら、駅に着いたとこで電話。


「何分の電車?」

「九分かな、、」

「ん。わかった。」


窓の外の景色見てたら、

あいつら、電車から見えるように、

みんなで花火してくれてて。


どんなに過去に楽しい思い出があって、

あの頃は楽しかったって思ったって、

どんなに過去に悲しい思い出があって、

あの頃の思い出が心を引きずってたって、

こんな風に過ごせる夜がある今があるなら、

今までの全てにありがとうって言いたい気持ちで、

家に帰ることが出来ました。

同時に、みんなの優しさに、

まだまだ小さい自分を発見して、

もっと人生を突っ走りたい気持ちになりました。


「来ちゃいなよ」

の一言、ありがとね。

おやすみなさい。


花男★


BGM★YENTOWN BAND 「MONTAGE」

夏はまだ終わっちゃいなかった!!