鉄道会社が続々と太陽光発電に、名鉄と小田急も社有地に建設

名古屋鉄道グループが太陽光発電所を建設する場所は静岡県の湖西市のほか、愛知県の知多郡と新城市の合計3か所である。全国でも特に日射量の多い地域で、3か所を合わせて発電能力は3.3MW（メガワット）、年間の発電量は330万kWhを見込んでいる。いずれも2013年内に運転を開始する計画で、売電収入は年間に1億円を超える。

一方の小田急電鉄は東京都世田谷区の「喜多見電車基地」の内部や周辺にある施設の屋上と屋根に太陽光パネルを設置する。合計の発電能力は0.6MW、年間の発電量は58万kWhを想定している。2014年3月に稼働する予定で、売電収入は年間に2000万円程度になる。

　鉄道会社ではJRグループや地下鉄の東京メトロがメガソーラーの建設を積極的に進めているほか、私鉄大手でも近畿日本鉄道や東武鉄道などが2013年内に社有地でメガソーラーを建設する計画だ。鉄道各社は未利用の広大な土地を抱えていて、遊休資産の活用が課題になっている。

農水省、営農地での支柱付き太陽光発電設備を期間限定で設置許可

農林水産省は農地に支柱を立てて営農を継続するタイプの太陽光発電設備について、３年間の期間限定付きで設置を許可する方針を決めた。発電した電力を電力会社が買い取る「全量買い取り制度」では、国が設定する太陽光発電の買い取り価格が４月以降、１キロワット時当たり４２円から３８円に引き下げられた。価格は下がったが、市場が拡大するとして業者の間から支柱付き太陽光発電設備設置を認めてほしいとの要望が出ていた。農地の一時転用にゴーサインが出たことで、農地へのパネル設置が加速しそうだ。
　支柱付き太陽光発電設備は、農地に直接パネルを敷き詰めるのではなく長さ数メートルの支柱を立てて、その上にパネルを取り付ける方法。パネルの下でキノコや水菜といった農作物を生産できる。日光を遮らないようパネルと日光を通す部分を交互にした装置も投入されている。農地への設置が認められれば、普及に弾みがつく。

太陽光発電の買取価格が正式に決まる、非住宅用は一律36円/kWhに

前年度末ギリギリまで確定しなかった2013年度の買取価格が3月29日に発表された。政府の審議会である「調達価格等算定委員会」が3月11日に提出した最終案どおりに決まった。1kWhあたりの買取価格は非住宅用（出力10kW以上）が36円、住宅用（同10kW未満）が38円で、2012年度と比べて4円引き下げられた。太陽光以外の風力・中小水力・地熱・バイオマスの買取価格は据え置く。

　非住宅用の太陽光発電に関しては、小規模の10kW以上50kW未満のシステムのコストが相対的に高いことから、新たな区分を設けて買取価格を高めに維持すべきとの意見が出ていた。それに対して担当省庁の経済産業省や買取価格を決定した経済産業大臣はコメントを出さず、委員会の最終案をそのまま通した格好だ。

　2013年度の買取価格は、4月1日以降に認定された発電設備が対象になる。小規模の太陽光発電の買取価格も一律に引き下げたことで、企業や自治体の導入意欲がどう変わるか注目される。当面は中規模以上の太陽光発電システムに集中する可能性がある。

サンテックパワー 破綻！

【上海共同】２０日の新華社電によると、太陽光発電パネルの世界的な大手、中国のサンテックパワーが経営破綻した。世界的に太陽光パネルの市況が悪化した影響で、経営難に陥っていた。

　サンテックは資金繰りが行き詰まり、１５日に期限を迎えた５億４１００万ドル（約５２０億円）の転換社債の償還ができなかった。中国紙によると、本社がある江蘇省無錫市の当局と再建策を協議しているという。

　サンテックは２０１０年に太陽光パネルの生産量で世界首位を達成。ただ主要市場である欧米での景気悪化や欧州諸国による購入支援策の縮小が響き販売が振るわず、利益が上げにくくなった

太陽光発電駆け込み需要 買い取り価格下げで

再生可能エネルギーの普及で、国が設定している太陽光発電の買い取り価格１キロワット時４２円が４月から引き下げられるのを受け、県内で太陽光発電設備の駆け込み需要が起きている。高利回りを期待して、投資目的で設置するのが増えているのが要因だ。県内地銀には融資の問い合わせが相次いでおり、電圧を制御するパワーコンディショナーや架台などの関連資材も不足。ただ、４２円の適用を受けるには、経済産業省の認定と電力会社への系統連系契約の申し込みを３月中に済ませる必要があるため、すべての設置者が「好条件」の恩恵を受けられるかは不透明だ