深部静脈血栓症


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不調を極力ガマンで乗り切るタイプの男性^_^;、久しぶりに来庵。


「歩けない」


という。


見れば、脹脛(ふくらはぎ)が異様なカタチ大きさと色で膨らんでいる。


「いつも、触って直ぐに原因とか言い当てるから……」


と言われて見せられたが、即座に


「病院へ行ってください。蜂窩織炎とか、そんなのに似てます。何にせよ、病院なら非接触、非破壊の検査ができるので」


と言って、そのまま病院に直行してもらった。


後日、結果を聞くと、


「深部静脈血栓症でした。かなりの広範囲でした。病院も二つ回りました」


とのこと。まずは投薬などの対処から開始するそう。定期的に報告してくれるそうである。


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確かに私は、原因やら容態やらを“言い当てる”事は多いが、なんせ触れないと取れない情報も多い。

それに引き換え、現代医療の非接触/非破壊の検査能力は、とてつもない威力である。

例えばこの事例で私が触れて、状態を確かめるべく揉みほぐしたりでもしたとしよう。それはもう、血栓が飛んでどこかに詰まり直しでもしたらえらい事になる。


「医者に行きたくないから“こんなところ”に来てるのに!」


と、病院行きをよく勧める私は言われるのだが。私はともかく、その方の快癒と快適を最大限に願っているだけで、整体師としてのホコリとか、自然治癒力のみでとか、そういうこだわりは全くない。もしそんなものに付き合わせられている人がいたら、気の毒でしょうがない。


生きとし生けるもの全てが、思う様に全力で生き切れるように願っているだけである。