「過去に極端なダイエットとか、しました?」


「………一時、 拒食でした。」


  ***


旦那様に連れられて、初めての太陽庵の女性。


ハキハキとものを言われる、明るい第一印象。


腰痛、肩こり etc……


一通り不調を聞いて、いざ施術。


身体のあるアンバランスが気になりながら、足先などを丁寧に診ていく。すると、モワモワと浮かんでくるある言葉……


(飢餓……)


『肩の筋肉が発達しすぎて(笑)』

と自ら笑われるぐらい健康そうな方なのに、その印象=“飢餓“ がどんどんと確信に変わっていく。


そして、ついに口をついて出てしまった。


「過去に極端なダイエットとか、しました?」


「……」

「ダイエットというか……

 昔一時、拒食症でした。」


なるほど、やはり!!


皮膚の張り、今の不調の数々、体型の歪さ、脈の特徴……


全てがソレ=飢餓の過去を示している。そしてそれが今、確かめられた。


「そんなことまで身体見ただけで分かるんですか?!」


「はい、カラダはあなたの正確な履歴書ですから」


 ***


その後、栄養指導、修正体操を指導して、整體指導を終えた。


身体の履歴は、『読む』というより『感じる』、誤解を恐れずにもっと言ってしまえば、『降りてくる』。


そう言えるところまで、色々と勉強して、さまざまな経験して、検証して……


そして辿り着けるのだと、今なら確信を持ってわかる。


鍛錬と経験、検証の螺旋。


武道と同じ。