自尊感情の低下の背景



日本の子ども達の自尊感情が
著しく低いとの指摘が以前からある一方で
この現象の背景や原因は
いまだ十分に理解されていないようです。




九州大学の研究チームは

日本のようにいじめや不登校が深刻でない中国・新疆ウイグル自治区やトルコでの調査を通じて

子ども達の自尊感情について
より深く理解しようと試み、

1996年からこれら2つの地域を訪れて


臨地調査を行い


子ども達の心情や
考え方に迫った論文を発表しました。




今回は


子ども達の自尊感情の低下に対する
理解を深め、解決策を模索するために
大きなヒントとなるであろう

この九州大学の学術論文の内容を

ご紹介させていただきたいと思います。





研究チームはインタビュー調査をするその過程で


「君は自分がダメだと思うことがありますか?」

と質問し、調べてみた結果、





ウイグルの子もトルコの子も
そのほとんどが

「自分がダメな人間だと思ったことはない」

ときっぱり答えたそうです。




例えば、トルコのキュタフヤという町で会った小学校5年生のタルハー君は

躊躇することなく次のように述べたといいます。



「僕のいいところは、髪の毛の色が少し黄色いところと、決めたことを一生懸命すること、それから困っている人を助けること」




こう明るく答えてくれたのだそうです。




一方で、短所について尋ねると、「ンーン、何だろう?」と考え込んでしまいました。






これに対し、日本の子ども達は

「君のいいところはどんなところかな」

と尋ねられても


さっと長所をあげることができない子が多い



ことが報告されています。




さらに


「良くないところは?」


と聞かれると

たくさんの短所を挙げる傾向が見られました。





このような結果から

自己肯定感を持つことが
困難な子どもたちが、日本には多いことが

この論文で示唆されています。







日本の子ども達の自尊感情が
驚くほど低い背景には

何があるのでしょうか。





自尊感情の低下には

子どもの発達過程で


重要な様々な体験の欠損

関係している可能性があるとされています。





これには
乳幼児期に愛情を受けることや

認められること、

達成感や所属感、


必要とされる感覚などが含まれます。





これらの体験は


日常生活の中で得られ、

一時的な教育や指導ではなく、



積み重ねられた体験が

鍵となります。





過去の調査や研究からも

自尊感情と体験の関係が密接であることが示されています。




子ども達が

充実感や達成感を得られる

体験を通じて


自尊感情を育むことが重要なんですね。





実際、九州大学の研究チームが自尊感情と体験の関係を検討したこれまでの調査・研究は


両者が密接な関係にあることを明らかにしています。






自尊感情と体験の関係



自尊感情の高い子は


  • 生活経験
  • 手伝い経験
  • コミュニケーション体験
  • 遊び体験
  • 自己管理体験、
  • 援助体験
  • 被称賛体験



のいずれにおいても


自尊感情の低い子より、より良くより豊かに体験している傾向にあることが示されています。













結論



子ども達の自尊感情を高めるためには

日常生活の中での積み重ねられた体験が


不可欠です。




日本の子ども達の豊かな体験をすることを

サポートすること


🟰貴重な経験を奪わないようにすることが、




お母さん達のお役目ですね✨






最後までお読みくださり、ありがとうございました😊