2年間のうつ病期間から、45才の男性は自殺した。
妻には「ごめんね」という遺言だけが残された。
死後、医者が書いた他の病院への紹介状が出てきた。
そこには妻が知る限りの真実は何も書かれていなかった。
残された妻には、自殺するまでの状況を理解出来ない。
妻や子供たちがいるのに、残して命を絶ってしまった。
妻から細かく全体の話しを聴いていくと、私に見えてくるものがある。
人にはその人なりの生き方がある。
それが良い悪いは別として、自分が選んだ人生がある。
人間関係のつまづきから、自分をどうしても立ち直らせずに
人間関係の負の連鎖が続いた結果、自分の人生を終わりにして
自分だけ楽になる道を選んだと思われる。
なぜそうなったかは、いろいろな過程がある。
しかし、自分の人生に悔いはなかったことから来ていると私は思う。
これ以上、わずらわしい人間関係と、うつ病と戦う自分は
彼の人生設計の中には無かったと思われる。
自殺で人生の完結をしたのである。
そこに、残された妻が入り込む余地はない。
私に見えたすべてを妻に告げると、残された妻は泣いて安堵した。
全てを総合的に、第三者として、客観的に見ていると、見えてくる真実がある。
カウンセリングとは、別の意味で大勢の人を救うことがあるという例である。
