洋ちゃんは今、フリーランスとしてライターだったり、講演会に呼ばれたり、日本語の家庭教師だったり・・・
色んなことをしている
フリーランスのもっとも怖いものは、
仕事先が倒産なり事業縮小なり信用問題などで
受注を失うことだ
で、洋ちゃんはその憂き目に遭った
日本語教師をしていたサウジ人が母国へ帰国するというのだ
お付き合いは長いが、1か月に数回程度の授業だったので
ここ最近は大した収入にはなっていなかったが、
すべての仕事の収入自体がギリギリ我が家の光熱費と食費くらいの
彼の月収からすると、サウジ人の授業料が消えるのは、
それなりに痛い
なので、普通に外にでてバイトでもするかなぁ~…と
フロムAなり、ジョブセンスなりで求人を物色する彼
でも、もう一歩踏み出せない
なぜなら鬱の再発が怖いから。
ここ数年、洋ちゃんは収入は少ないが自分の好きな道を
まっすぐ進んでいるため、過度なストレスもなくて体調が順調であった
だが外で働くとなると、誰かの下で使われる身となるのだ
それなりに能力が高く、ついでにプライドまで高い彼ですから
すぐにストレスから自動的に鬱っぽい症状が現れるであろうことは、
悲しいかな想像にたやすい
洋ちゃんは、また鬱で苦しむことが怖くて怖くて、
前に進めずにいる
見かねた私、一言申す
「別に良くない?
また鬱になって、廃人になって、寝たきりになったって、
寝てるだけなら、 金かかんないし。」
だから私だけの給与で何とかなるわよ。
良かったね
良くねーよ
誰が私をここまで図太くした?
犯人はだれだ? (明らかだよね)
私、一体どこへ向かうの?
どうなるの?
身体はチビなのに、肝っ玉だけデカくなっていく
あー、悲しいかな
誰か私を守って。誰かに守られる安心感を抱きたい
私を守ってくれるのは・・・、母からもらったお守りくらい