人に共感するのは
難しい。
知れば知るほど
その人のことを知った気になり
レッテルを貼りがちだからだ。
カウンセリングで言う
「相手を尊敬する」というのは
同じ土俵に立つということ。
「この人はこういう人」
というレッテルを取り去って
お互いの間に上下を作らないこと。
60代も半ばに差し掛かると
人間として最後の絶頂期だ。
後は坂道を転がり落ちるように
体調が崩れる。
周りは
若いモンと
助けの必要なお年寄り。
年下は未熟者で
お年寄りは弱き者。
どうしても
万能感を持ってしまう60代。
しかし
共感するには
同じ土俵に
身を置かなければならない。
相手と自分を
上下に置いてはならない。
その上で
相手の気持ちを代弁する。
ただしそれは
相手の気持ちを言い当てるのではなく
自分が思った相手の気持ちを
「〜と感じたのね?」
と相手に確認する作業だと思う。
「わかるわかる」は
同感であり
共感ではない。
他人の気持ちなど
そう簡単にわかるものではないのだ。
子どもと話す時
私たちは子どもを
子ども扱いする。
赤ちゃんの時から知っている相手を
同じ土俵に置くのは
難しい。
まだ
お金も稼げない
小さな子どもであろうと
寝たきりで
誰かの介助がないと
生きられないお年寄りであろうと
相手がどんな人であろうと
同じ土俵で話せる
自分でありたい。