いろいろなことを覚悟して
介護職を始めた。
初任者研修でも、
それまでには経験したことのない
肉体的にも精神的にも
キツい仕事なんだと知ることで
覚悟はできていた
つもりだった。
実際に現場に出てみると
研修で学習した時の想像とは
全く違う
実際の体感を味わった。
入浴介助では
体の大きな認知症の男性に
肩や腕を噛みつかれた。
顔をぶたれたりするのは
日常だった。
そんな人の生殖器も
洗わなければならなかった。
お腹の緩い人の入浴も
大変だった。
でも
「気持ちいいわぁ」
と言って下さる方もいた。
自分で自分の面倒をみるのは
思いのほか大変だ。
他人に手伝ってもらわなければ
生きていかれなくなるなんて
思ってもいなかっただろうから
情けなくもなるはずだ。
そんな風に思いを馳せると
その症状を責めることはできないし
気の毒になる。
それでも
できなくなる日が
誰にでも来るのだが…
ソープランドで働いたことはないが
ソープ嬢のような仕事だな
と思った。
性欲も人間の本能
排泄や食欲も人間の本能。
それを癒すお手伝いをするという意味でも
ソープ嬢と介護職には
共通点があるのかもしれない。
“ソープ嬢”なんて
もう居ないのかな