1502Hz 日本のゲーマーの問題を改めて考える その1 | ゲーコラジオ! ~Game Column Radio~

1502Hz 日本のゲーマーの問題を改めて考える その1

-かくて「淘汰」という言葉が似合う今日この頃-

 さて、ようやくPS4の日本での発売日が決定しました。……が、正直、この発売日とソフトラインナップを見た時、真っ先に思ってしまったのが、あぁ、とうとう日本のゲーマーが淘汰されはじめてしまうんだな、と言う悲壮感でした。数年前からソフト発売のトップバッターが日本でなくなり、いつかはこんな状況も来てしまうだろうな、とは思いましたが、とうとう来てしまいました。国産ですら海外先行をしてしまう時代が。この瞬間、ゲーム業界、特に国内のゲーム業界は「ゲーム界の暗黒時代」に突入した、と断言してもいいでしょう。いえ、これでは生ぬるいかもしれません。このまま私の考え得る限り最悪のケースを進んでしまったら、それはまさに「絶望の未来」と呼ぶのにふさわしいかもしれません。

 なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか。日本でのゲームが売れなくなり、海外での活動をこぞって狙いだし、ゲーム業界が先細る選択をしたのは誰なのか。……私は、もう何度も口を酸っぱくいっているようにこの最大の責任は日本のゲーマーにあると考えております。

 と、いうことで今月は本来予定していた特集を変更し、緊急特集として日本のゲーマーのかかえる問題点を改めて棚卸していこうかと思います。


-問題点1・忍耐力の退化-

 本日は日本人ゲーマーの駄目な点として「忍耐力の退化」をテーマにして話していきたいと思います。ここ最近のゲーマーで私が問題視している部分の一つに、やはり「我慢弱い日本人」の姿が増えている事が挙げられます。

 最大のポイントは「物欲負け」です。ここ数年の日本人はお金が無いのに沢山のゲームを買おうとする物欲に負けている面が多々あります。確かに、沢山の欲しいゲームが昔と比べると大量に増えているのも事実です。しかしながら、日本人の収入と言うのは減少の一途。いくらゲーム単体が安い時代になったとはいえ、それでもそこまで沢山のゲームを買える程の経済力を持っている人は稀だと私は思います。

 では、お金が無いのに沢山のゲームを遊ぼうとするにはどうしたらいいでしょうか?私のようなゲームのあらゆる知識に精通している身であれば、課金要素の無いインディーズのゲームを真っ先に選んで遊びます……が、そんな人も稀でしょう。多くの場合はなんらかしらの手段でゲームを買うためのお金を得ます。ただ、ゲームを遊ぶ時間を確保したい以上、よけいな仕事での収入はしたくない。のであれば、短絡的な人が選ぶ道は売却です。何を?買ったゲームです。特に発売日から数日であれば、かなりの高値で中古で売り払える。ならば、短時間でクリア、いえ下手したらつまらないと感じた時点で即日ポイをしてでも、沢山遊べる本数増えるじゃん!と考える人がいるわけです。

 この結果、何が起こっていると思います?……そうです、流行り廃りの加速度があがってきているのです。どんなにいいゲームでも、使い捨ての如く遊んで即売りをおこない、中古に流す結果、価格の暴落ペースが採算を取れないレベルで悪化しているのです。特に初版でバグが出てしまうともうともう大変。待てばパッチが配信される事もおかまいなしの浴びせ売りが大量に行われ、それこそ、スピードワゴン化してしまうのです。


-お金の回りが還元されない世の中じゃ-

 こうかくと、その分沢山の新品買うから結果的に経済に貢献している、と言う人が多いかもしれません。まあ、確かに経済に貢献はしていますよ。していますが、それはあくまでも流通業者や小売のお話。いや、だって考えてみてくださいよ?中古に売った分、その中古を買う人がいるんですよ?で、その人がさらに中古にもう一度うっぱらって、を繰り返すと、結果的に新品よりも安い中古買いを優先する人によるチャンスロスが発生して、結果的に新品を買う総数、というのは縮小してしまうのです。1本のゲームを4人も5人もリレーされてしまうと、利益が1/4~1/5になるということです。

 こういった事を防ぐためにも、本来ならば中古で再販した利益の一部をロイヤリティとして徴収する制度が必要と言われております。ところが、それを販売側がやりたがならないため、ゲームを作る労力に還元されないのです。

 その結果、メーカー側がどうやって利益を確保するかは、想像に安いでしょう。ゲーム内で課金させたり、ダウンロード専売にして中古に出さなければいいという発想になるのです。これらをさせるメーカーを批判する人も多いのですが、メーカーにとってすれば、そもそも中古に売り払うゲーマーを批判したいのを堪えているのが本音なんですよ。


-一本のゲームで我慢する努力を持ちたい-

 ところで、なんで1本のゲームを遊ぶ時間を惜しんでまで即売りしたいかって、ご存知ですか?実はですね、これ、「スマホ依存症」に割と近い原因なんです。性格に言えば「歩きスマホ症候群」と同じ理由。つまり、常に最新の情報を大量に保有したいという欲求に忍耐が耐えられない事がそもそもの問題なのです。私は経験にありませんが、人との意見を合わせたいからゲームを買う、なんてことしていますよね?日本人はこの同調圧力に極端に弱いとも言われています。つまり、話に遅れない為にゲームをとっかえひっかえ遊ぶ、あるいはとにかく流行のリーダーになりたいがために、ファーストインプレッションだけして次のゲームを遊ぶような人が増えてきているんですよ。

 ゲームを遊ぶこと自体は我慢しろ、とは私は強く言いません。が、ゲームを楽しく遊ぶためには、一本のゲームに対して長く接する方が実際の方は良いのです。そっちのほうが人生を幸せに生きられますし、常に新しいゲームで遊ぶよりも一本のゲームにこだわりをしたプレイの方が結果的にカッコイイケースが多いのですよ。

 だから、ね。みなさん。沢山のゲームを遊ぶことを前提に中古でモノを売ったり、中古でモノを買ったりは可能な限り、やめましょう。例え遊ぶ本数が少なくても、一本のゲームを骨の髄まで遊びつくしたほうが、結果的に他の人へ発信力が高まり、ゲームの利益につながるのです。それをしっかりと認知してください。認知する事が、まずは第一の処方箋なのです。

 では、本日はここまで。また次回。