雑誌で振り返るグレーゲルス②『野鴨』閉幕❼ | キスマイ FUJIGA屋 藤ヶ谷太輔観察ブログ

キスマイ FUJIGA屋 藤ヶ谷太輔観察ブログ

ふじがやくんぜんぶください。
Kis-My-Ft2 藤ヶ谷太輔くん応援観察ブログ
寂しがり屋のうさぎさん捕獲がデイリー
究極のネガティブ鋼鉄なナイーブセンシティブかゆかゆたいぴ大興奮アカウント

前田担かと思うほどギーナのことばかり考えてる藤ヶ谷担ですが(え)グレーゲルスが何か発するたびに絶妙な空気と緊張感が走るエクダル家。一歩間違えば家庭崩壊の危機に怯えるギーナは『言うな…言うな…余計なことは言うな…』というオーラをびんびん発していたんですね。もの凄く強張った表情から漏れる一言が震えていたり、穏便に済ませようと平静を装ったり、はたまた毅然としていたりと、ほんのひと言しかない台詞から発せられるギーナの切羽詰まった感とその加減が本当に素晴らしかったんですね。下手手前のグレちゃんが見たいのに上手奥のギーナも見たくて、今欲しいのは防振双眼鏡ではなくてトンボの複眼だと思いながら観劇していました★こんにちは🦆

 

べスステお写真の続きです(忘れてなかったらしい)


⑤エクダル親子とグレーゲルス 

グレーゲルスのエクダル親子への心酔っぷりの背景は詳しく描かれてはいないのですが、父の愛に飢えていたグレーゲルスにとって、子煩悩であったエクダル中尉(休みになるとよく山で遊んでもらったグレちゃんとヤルちゃん)への憧れは、父親としても理想像であったと推察できます。エクダル老人が部屋の中で軍帽を被る姿は、実の息子ヤルマールにとって滑稽であっても、父の愛を求め少年時代のまま時が止まっているグレーゲルスにとっては今も英雄。老いて変わり果てた父の愚痴をこぼすヤルマールをナンセンス的にあしらうグレーゲルスの蓄積されてゆく不満は、2幕ヘドウィク野鴨生贄への『ヤルマールは何もわかってない』という台詞にもつながってゆくのかなぁと。

この時点で納屋や野鴨のことを知らないグレーゲルスはエクダル老人に『こんな狭いところにいるのはあなたらしくない』と訴えますが、納屋や野鴨のことを知り、ヘドヴィクに『納屋の中では時が止まっている』と目をキラキラさせて話すグレーゲルスは自分の中で時が止まっていることについても、ちゃんと理解していたのではないかと。

だから『今なら受け入れてくれるかもしれない』と山から下りてきたのに、何も変わっていなかった父への絶望が正義の独善を生み出したのかもしれないと思うと、気の毒でしかありません。

正義の鉄拳を振り下ろそうとする甲冑がヴェルレ親子を見下ろすお写真も印象的ですよね。

 

⑥ヘドヴィクとグレーゲルス

ヴェルレ家に憧れを持つヘドヴィクが実はヴェルレ家の娘…皮肉なことです。初めてエクダル家を訪問した時のグレーゲルスに対するヘドヴィクの様子は、アイドルを目の前にしたオタクそのもの😍ギーナやヤルマールとのやり取りから、ヘドヴィクが自分の妹と気づいてからのグレーゲルスは、ヘドヴィクに自分を重ねているように見えたんですよね。ヘドヴィクの勉強や学校や将来を気にするグレーゲルスの優しさ。納屋を『特別な世界』『時が止まったまま』と表現するグレーゲルスの中に、少年期に過ごした山での特別な世界がリンクしていったようにさえ感じて。失明するかもしれないヘドヴィクが、美しい風景を残すために写真の仕事をしたいと熱く語る様子を見守るグレーゲルスの慈愛に満ちた瞳もとてもとても印象的で。

ギーナ同様ヘドヴィクも『ただの納屋』と思っていることに対して『本当にそう思う?』と問いかけるグレーゲルスの言葉の強さに、彼女には幸せになってほしいと願う血の繋がりを感じましたし、2幕の『お母さんに僕たちのことはわからない』への伏線なのかと。

 

③へ続く。