誰かさんが盛大な匂わせをしたので、気になっていた”サイコ系作品”こと『サイコだけど大丈夫』Netflix全16話。最終回は先週日曜日配信というホットな作品。初めて配信ドラマをオンタイムで完走した。
と…実は、ここまで書いて放置していた(さすが)
ログ公開予定もなかったしのんびり取り掛かるつもりだった。
けど…太輔が完走…しかも
ξ*ˊᗜˋ)サイコ、泣けたー!!
って叫んでくれたもんだから、俄然やる気になった(単純)いつぞやのガヤログを受けてもなお『ハマらないかも~』なんて書いたけれど、まずは作品へのリスペクトも込めて、盛大に土下座します(変わり身の速さには自信があります)
太輔オススメの『パラサイト~半地下』も『ジョーカー』も私的には全くハマれなかったから(コラ)『梨泰院クラス』に続き感動作品の共有は嬉しい!
8巡目突入の『愛の不時着』ほどセリフもシーンもマスターしてはいないけれど(マスターの必要性について)
最高に美しいヒーリングストーリーだった感動は残したいと思う。
そして『愛の不時着』レビューでお越しくださった方々、ありがとうございます。
ただ今回はそれほどの熱では語れませんのでご容赦下さいませ。
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【ストーリーについて】
自閉症の兄を献身的に支えながら、精神病棟の保護士として働く弟ムン・ガンテ(主演:キム・スヒョン)と歪んだ親の愛によって感情が欠落した人気童話作家コ・ムニョン(ソ・イェジ)が互いの心の傷を癒しながら新しい人生を踏み出そうとするラブストーリー…(公式より)
物語が進むほど作品からのメッセージが強くなってゆく展開だけれど、序盤はそれがまったく見えず、1話2話のホラーテイスト強め&さらにダレる3話4話で、初速重視の私的に挫折予想だった(ありがとう自粛期間)
けれど一見ドロドロとした愛憎劇と思わせる裏にある本当のテーマ『家族愛、人間愛』に良い意味で裏切られ、こんなご時世だからこそなお『人間の”治癒力”』を信じたいと感じた。思い込みや誤解から生まれた心のズレも、思い合い支え合うことで強さに変わる。人間誰しも何かが欠けていて、完璧な人なんていないからこそ、互いに支え合うことで新たな一歩を踏み出せるし、抱えたトラウマも克服できる。そして心に傷を負った人たちは、隔離された場所だけでなく、傷を隠しながら懸命に社会と闘い生きている人達もいるということも。
独特な童話の世界観と映像美、映画のように創り込まれた華やかなセットも素晴らしかったけれど、全話を通したエピソードが童話作家コ・ムニョンの作品となる展開、骨太のヒューマンストーリーのラストはスタオベもの。
各回のタイトルが童話のタイトルになっていて、メッセージが明確。意味不明だった序盤も後半でなるほど納得。第1話の『悪夢を食べて育った少年』は全話完走後の2巡目は号泣、個人的に伏線回収の巡回予定作品になった。
太輔も絶賛していたイントロの映像美☆セット、CG、音楽、衣装、演者、キャラクター、カメラアングル…なにより物語の展開が最高だった。韓国エンタメ…というか制作会社STUDIO DRAGONの底力を感じた。(視聴済み:愛の不時着/アルハンブラ宮殿/星から来たあなた/青い海の伝説/トッケビ/キム秘書…etc)
【メインのキャラクターについて】
主演のキム・スヒョン作品は『星から来たあなた(全21話)』『太陽を抱く月(全20話)』『シークレット・ミッション(映画)』の3作が超お気に入り(映画『リアル』は難解でドラマ『プロデューサー』は序盤で挫折)『愛の不時着』のカメオ出演(『シークレット・ミッション』ドング役)に大いに沸かせてもらった♡
両親を失い、幼い頃から二人で生きてきたガンテとサンテ。自閉症の兄サンテをたった独りで世話しながら、必死になって守ってきた。
兄に向けられる偏見や世間の冷ややかな視線にも立ち向かい、己の感情を抑え、時にジョーカーのように仮面を被って生きてきたガンテ。兄は唯一無二の存在ではあるけれど、生前の母の愛は兄だけに注がれ、サンテのせいで孤独な幼少期を過ごしてきたのも事実。献身的に支えながらも、母の愛を奪われ自分の人生も縛ってきた兄へのジレンマはガンテの心に深い深い闇となっている。
大きくて力のある黒目がちの瞳。溜まった涙が溢れる瞬間の美しさや、くるくると変化する感情豊かな表現力は、韓国同世代俳優の中でも群を抜いてる。
端正な顔立ちが一瞬にして不幸のどん底まで落ちる泣きの演技、優しいまなざしから歓喜の涙に咽ぶ表情、感情を抑えて自分を偽るジョーカーのように悲しげに笑う瞳。自己防衛しながらも、己の心を斬り裂くナイフのような鋭い瞳にぐいぐいとガンテの世界に引き込まれてゆく。
兄のために生まれた自分が、兄のために生きることで自己肯定してきたガンテ。ムニョンと出逢い、恋しさと愛しさを知ったことで『兄以外を受け入れることは許されない』『こんなひどい人生ならあの時死んでいればよかった』と過去の呪縛に苦しむ一途で優しいガンテに嗚咽。呪縛から解放されたい苦悩と溢れる大きな愛をキム・スヒョンが見事に演じている。
ヒロインのコ・ムニョンを演じたソ・イェジssiは、スタイル抜群バービーもビックリのあり得ないドール体型。どんなド派手な衣装も上品に華やかに着こなしてしまう、独特のオーラを発する超個性的な女優。ハスキーボイスからポンポン飛び出すスラングギリギリのムニョンのセリフは、病棟内でもおかまいなし。むしろ明るく前向きな気持ちにさせてくれる。ムニョンもまた歪んだ愛情の両親に育てられ、山深い古城で孤独やトラウマと闘っている。童話作家らしく洞察力に優れ、人を見る目にも長けていて、粗暴な性格とは裏腹に根はとても優しい。兄サンテを思うあまりにムニョンを遠ざけ忘れようとするガンテに、突き放されようが、言葉で傷つけられようが臆することなく、ガンテに愛を注ぎ続ける。兄サンテを守り人目に触れず穏やかに暮らそうとするガンテとは違い、サンテの才能を買ってサンテを社会に出そうと背中を押すことを惜しまないムニョンにはノーベル平和賞を贈りたい。
大好きな『花郎(ファラン)』(太輔似と言われてる梨泰院パク・ソジュン主演)では孤独な叔明王女を熱演。弱さを隠すための自己防衛とはいえ、傍若無人とも思える強烈さと、欲しいものはなんとしても手に入れるキャラクターが今回も重なって、痛快さは裏切らなかった。
ちなみに個人的に『花郎』でのパク・ソジュンssiが一番太輔に似てると思っているので…
気になる方はぜひ♡
そしてこの作品最大の立役者であるサンテ役のオ・ジョンセssiの演技力の高さには脱帽。サンテの傷つきやすく繊細な心を丁寧に演じている。
ムニョン作品の大ファンであったサンテがムニョンと出会い、弟ガンテと過ごすだけでは得られなかったであろう、喜び・悲しみ・嫉妬・許し…兄としての自覚、そしてなによりトラウマを乗り越えた強さ。ムニョンとの出会いでどんどん解放されてゆくサンテの心…喜怒哀楽。都合の悪いことから逃げていた思考が消え、考えを巡らせ解決方法を見つけようと前向きになる、サンテの強さが愛おしい。
考え方が似ているがあまり、些細なことで口論になりがちのサンテとムニョンだけれど、ぶつかり合いながら絆が深まるシーンは心が温まる。
ムニョンを家族として迎えた喜び、兄として2人の関係を応援する優しさ。ガンテのカゴの中にいたサンテが大きく羽ばたくラストは涙涙だった…
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思うところを一気に残しましたが、不時着ほど視聴していないので、回数重ねたら感じることも変わってくると思います。
とりあえずは、ふじがやくんの完走祝いとして💕
思い出したらまた加筆します。(短くはなかった)