■鷹長 菩提酛 純米生酒




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さて、本日ご紹介は奈良県御所市の油長(ゆうちょう)酒造さんが醸したお酒です。油長酒造さんは越中大将でも人気の「風の森」ブランドで無濾過生酒を造っているお蔵です。

この油長酒造、実はとても古くからの歴史があり、起源を遡れば江戸時代の慶長年間(1596年から1615年)から製油の会社として存在してきました。その後1719年にお酒を作り始めて以来、約300年間にわたって日本酒蔵として事業を行っています。そしてこの鷹長は、伝統的製法にて醸された1本でございます。

日本酒発祥の地、奈良。神代の時代より酒作りと深くかかわる地で、現在の清酒の元となる酒が生れたのもこの地です。その所以は菩提山正暦寺の僧坊酒「菩提泉」が嘉吉年間(1441~1444年)に文献に記され程。後に「南都諸白(奈良酒)は、天下第一の銘酒」と称えられました。
原型の「諸白」は、掛米も精白した米を用い、また搾って清酒(すみさけ)を考案したのもここ正暦寺といわれています。そして「菩提酛」とは、生米と水の中に、木綿袋に入れた粥を懸垂してできる乳酸性の「そやし水」を仕込水とし酒母を造る方法をさします。
平成8年に、奈良県下の酒造会社14社が「奈良県菩提もとによる清酒製造研究会」を発足し、奈良県工業技術センターと共同研究の末、寺境内や菩提もと清酒再現実験によって、乳酸菌や酵母菌を採集して育種改良を行いました。
そして平成10年12月から、菩提山正暦寺が寺院として初めて酒母の製造免許を取得し、寺領の米で酒母が仕込まれた「菩提酛」を、14社が蔵へ持ち帰って蔵ごとに仕込まれるようになりました。掛米も蔵ごとに違うので、もとは同じとはいえ、味わいは当然異なります。しかしながら全体の味わいは生酛、山廃酛造りのルーツというだけあって、非常に濃醇旨口で飲み応えがあります。日本酒の新たな味わいの地平が拡がるでしょう。

「鷹長 菩提酛 純米生酒」はお米をしっかり溶かしてその旨味を最大限に引き出すよう努めています。
発酵についてはその年々の酒母に任せるようなカタチでモロミの管理を進め、「風の森」の醸造とは対照的に積極的な温度管理(低温発酵)はしておりません。ひと口含むとコクのある独特の甘味が口中に広がります。また、どこか甘酸っぱい酸味が全体を引き締めている印象があり、後口のキレも意外なほど良いので、しつこくベタついた甘さを感じさせません。飲み方は、まずよく冷やして。冷やすことにより、甘味を適度に押さえ酸をきれいに立たせるからです。暑い時期なら氷を一つ浮かべてオンザロックも美味です。またお好みでお燗もお試し下さい。やさしさに満ちたホッとするような味わいです。
この機会にゼヒお楽しみ下さいませ☆


完売御礼!!!m(_ _)m


越中大将