*捨てられるTシャツが材料

知り合いの方のお孫ちゃん達が、小さい頃に着ていたTシャツを引き取ってきまして、それで敷マットを作ろうと思い立ちました。

 

お孫ちゃんはもう立派な学生さんになってらっしゃるんですけど、ずっと捨てずにとっておかれたようです。

 

で、私が捨てられる物を使って物作りをしているというお話をしたら、ぜひとも使って欲しいとの事で、譲り受けてきたわけであります。

 

Tシャツは小さな毛玉だらけで、プリントもヒビが入っているような状態ですが、細く切って織れば気にならなくなります。

 

*Pin loom weaving(ピンルームウィーヴィング)

織物っていうと、織機を買わないとできないような印象がありますが、板とかコルクボードにピンを並べるだけで簡単にできます。

いわゆる『pin loom weaving(ピンルームウィーヴィング)』です。当てはまる日本語がないって事は、まだ日本ではあまり知られてないんでしょうね。グーグルで調べてもあまりヒットしません。

 

織り方については、こちらの動画で詳しく説明しています↓(織り方の説明は動画の2:54辺りから始まります。)

 

ピンを1cm間隔にした場合、Tシャツの幅は1.5cmくらいがちょうど良いと思います。これ以上幅広だと、織り目がぎっちぎちになります。厚手のTシャツの場合は1cmかな。

 

動画では10cm角に織っていますが、敷マットはサイズがでかいからという事で15cm角にしてみました。でもそれでも剥ぎ合わせるのに結構時間がかかって、もっと大きくすればよかったと思いました。もしまた作るなら、次は30cm角にしてみようと思います。

 

あと、動画では、織り糸をつなぐときに糸で縫い合わせていますが、今回は作品がでかいので、そんなチマチマしたことはしとられん!ということで、穴を通して繋ぎました。

ぴらぴらと出っ張った部分は、裏面に押し出せばOK。

裏側はこんな感じ↓

 

はぎ合わせ方は色々とあるようですが、私はこのようにしました↓

動画の15:43辺りで説明しています。

 

アイロン掛けが足りず全体がゴワゴワですが、使っている内にぺったんこになるさ~♪ってことで、これで完成としました。

pin loom weaving

 

使ったTシャツの量は、子供用が多めだけど大人用のTシャツも一部使ったし、袖なしとか長袖とかも入り混じっていたので、かなり誤差があると思いますが、それで大体15枚くらいです。大人用Tシャツだけだったらもう少し少ないかも。

 

出来上がりサイズは、約90cm×120cm。

 

15cm角を横に7個、縦に9個並べたので、計算上は105cm×135cmになるはずだったんですが、ずいぶん縮みました。Tシャツだから、ある程度はしかたないけど、これほど縮んだのは原因があると思われます。それについては↓のコツの所に書いています。

 

*Tシャツの小さい毛玉について

Tシャツの毛玉って、細かすぎて手で取るのは不可能。毛玉取り器をかけてもすっきりしないし、元々厚みのない生地がスケスケに薄れてしまいます。

なので、これをそのまま生地として使うのは諦めました。

 

毛玉をどうしたもんかと悩んで、細く切れば目立たなくなるんやないの?と思って、ヤーンにしてかぎ針で編んでみたんですけど、残念ながら編み上りは毛玉がガッツリ目立ちました。

 

それでヤーンに糸を巻き付けてみたり、より合わせてみたり、あれこれ試して辿り着いたのが、『織る』。

 

織るといつの間にか毛玉が消えるんです。なんでかいなー?と不思議に思ってたんですが、おそらく、糸のすき間をくぐらせている間に、摩擦で毛玉がとれちゃうのではないか、という結論に至りました。

 

そのせいか、織っていると机の上やら膝の上やらに埃と毛玉が積もります。織物の欠点やな。

 

*綺麗に織るコツのようなもの

コツについてはまだまだ研究中なのですが、一応、現段階で気付いた事を書いておきます。

 

Tシャツのプリントの部分はゴワゴワしているので、縦糸にしてプリントを内側に折り畳みながら織りました。横糸にすると引っ張るたびに広がろうとするので面倒くさいし、見た目もあまりよろしくないです。プリント部分は使わないのも手かも。私はもったいなかったので使いましたが。

 

あと、Tシャツを引っ張ってみると、横に伸び、縦にはあまり伸びません。縦横はTシャツによって違うのかな?

 

とにかく、細く切ってヤーンにする場合は、『伸びにくい方』に沿って切った方が良いと思います。

伸びる方で切ってしまうと、横糸を引っ張るときに際限なく伸びてしまうんですよ。すると、織りあがってピンから外したら縮んでしまって、出来上がりサイズがまちまちになってしまいます。今回、予定より15cmもサイズが小さくなったのはそのせいもあると思います。(途中でその事に思い至った。)

 

*修繕しながら長く使うスタイル

ぶっちゃけ、Tシャツを細く切って、織って、はぎ合わせて…っていうのはとても時間がかかります。製作途中でレース編みに浮気したし、動画撮影&編集もしながら、サボりながらの制作だったので、純粋な総製作時間がどれくらいかはわかりませんが、期間としては2カ月かかっています。根詰めて取り掛かったら多分、半月~一か月くらいでできると思いますが、お店で買った方が圧倒的に楽だし早いです。

 

だけど、この敷きマットはパーツを剥ぎ合わせているので、後からでもサイズを変えられるし、汚れたり破れたりした部分だけを取り換えることもできます。そうやって修繕しながら長く使っていくことで、ゴミも減らせます。約15枚分のシャツを捨てずに済みました。

 

今の時代は毎日が忙しいから、自分で作るのはなかなか難しいのかもしれませんが、ぽちぽちと作っていたらその内出来上がるさ~♪くらいの感じで作ってみると、ストレス解消にもなって楽しいかもです。愛着が湧くこと請け合いですよ!

 

*Tシャツヤーンの使い途

Tシャツヤーンって、かぎ針で編むとすんごい分厚くなるんですよね。しかも重い。だから、これまでTシャツヤーンの使い途があまり思いつきませんでした。

 

織ると厚みはかぎ針編みの半分くらいになります。それでも重いので、マットにしたのでした。マットだと逆に重さがイイ感じです。

 

カバンも丈夫にできて良いかもしれないけど、実際使ってみたら重いだろうなぁ…。

 

かぎ針編みなら丸座布団はどうだろうか?

 

棒針で編んだらどうなるだろ?

 

また色々と模索してみようと思います。