魚が游(およ)ぐ


群遊(ぐんゆう)する。


魚達は


お互いに

擦(す)れ違う度に


綺麗だな。

美しいなと


アクアリウムを眺める人間達と同じ様に


生命(せいめい)の神秘に

心を踊らせて居るのかも知れない。


動物達は

種族が違えば


つがう事も無いだろう。


しかし

お互いに


交わる事は、無くとも

お互いの美しさに


惹かれ・擦れ違い


游(およ)ぎ続ける。


旨味(うまみ)の粋(すい)の一つで在る


鮪(マグロ)は

游(およ)ぎ続けなければ


鰓(えら)呼吸が出来ず

死に至る。


人間の思考・アウトプット(output)


行動・インプット(input)と謂う物もまた


同じく


思考と行動とが


大きく制約され

心體(しんたい)の自由が


大きく拘束(こうそく)された刻


諦(あきら)めの

気持ちが


ぷつんと事切(ことき)れると

人は生きたまま

心は死んで終う事すら在るのかも知れない。